| 2012年05月09日(水) |
平岩弓枝著「下町の女」読了 |
既に返却期限が切れている図書館の本。週末には返そうと通勤時に持っていく。24歳の桐子は芸者屋に生まれ育つが、母親のそろそろ50歳になろうとしているこうの期待を裏切って芸者にはならないと宣言して短大に進んだ。第1話は「女と足袋」。こうは、神田橋の路地裏にある小村足袋店の足袋しか身に着けたことがない。足袋の引き取りはこのところ女中か桐子が行っているので、こうが足袋屋の主人の良吉に会ったのは20年以上前のことになるはずだが、良吉は夏にはこうは若干夏痩せするので足袋のサイズを僅かに小さくするという念の入れようだ。実はこうは、幼馴染の良吉と一時期恋仲になっていたが、その当時、パトロンであった会社の社長に義理を立てて、桐子が生まれてからは一回も会っていないのだった。桐子は社長の子供ということになっていたが、実は良吉の子供だったのである。 母子の会話がポンポンと飛び交い、楽しい。桐子は一度結婚するがわずか一ヶ月で交通事故で夫を失い、また実家に戻る。一方こうは、古くからのパトロンである社長の家に嫁入りする。なんだかんだと最後は結局桐子が芸者屋を引き継ぎ、滅びる寸前である芸者というものを見守る形となる。いろいろ手当たり次第読んでいるが、結局私はこんな感じの小説が好きなのだろうと、いまさらながらに思った。
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