かっしーのつぶやき
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2006年01月29日(日) 春は名のみの風の寒さや 2

明けて日曜。朝ごはんの後にお宿のロビーで山形新聞のスポーツ欄を読んだら、そこに書いてある試合の内容が私が昨日試合会場で見ていたあの試合とはまったく別物のことを書いてあるようにしか読めなくて、ものすごく違和感がありました。
昨日の試合、確かに3-0で勝ったけれど、内容的には圧勝とか快勝とかそういう言葉で括れるような試合じゃなかったような気がするんだが。
…って、だからそれはあたしがトモさんファンで3セット目@トモさんスタメンのあのミラクル感の印象ばっかり強烈に残ってるせいなのよ、いかんいかん、と自分で自分をなだめつつ試合会場へ。


あ、余談ですが。
あたしの座席の近くにいた見知らぬ若い男女カップルがあまりにナイスな会話(笑)をしていたので、ここに抄録いたします。
(ちなみに原文はプチ東北弁でしたので言葉遣いのみ標準語に改めました)

(試合開始前の練習時、近くに立ってサーブを打っている吉原選手の後姿を見ながらの会話)

彼女「あ、吉原だ吉原。 わー、かっこいいなあ…」
彼  「うん、かっこいいよね。けっこう年、いってるんだっけ?」
彼女「えーとね、…さんじゅうろく、くらい」
彼  「あ、そうなんだ… しかしそれにしても、細いなー、吉原」
彼女「細いよねー。脚とかさあ…
    いいなあ、あんな細い脚だったら、どんなパンツだって履きこなせるよお〜」
彼  「そういうもん?」
彼女「そうだよー。うー、かっこいいなあ… 超かっこいい… あんな36歳なら、あたしもなってみたい…」
彼  「…なったらいいじゃん」
彼女「…(無言で彼をどつく気配)」

…ナイスだ、ナイス過ぎるぞ特に彼女。
あたしゃ思わず振り返って「ありがとう!君の心眼は正しい!君の豊かな感性に幸あれ!」と握手を求めたくなりましたが通報されると困るのでかろうじて堪えました(笑)。
だって「あんな**歳なら、なってみたい」って、年若い人から同性の年長者への言葉としては、ほぼ最上級の賛辞だと思うんです。
少なくとも同じ36歳女性の私としましては、そう思いますです。はい。

以上、余談でした。


えー…

今日の試合のことは、あまり思い出したくない。試合前の練習を見てなんとなくやりたいことは察せられたし、その狙いは正しかったと思う、思う、けど…。
考えてみれば私は、遠征してパイオニアの観戦に来て負け試合を見たのって実はこれが初めての経験だったんでした。それだけパイオニアは強いってことなんでしょうが、いざ眼前で惨敗を喫するのを見てしまうと、自腹切って雪靴買って新幹線乗ってお宿とって泊まってそれで観戦した試合で負けてしまうってことがこんなにも心にしんどいことだったとは。
選手達が退場するとき私の席のすぐそばの通路を通ったんですが、その際選手達の顔を見られるような気概は私には残っておらず、せめて拍手で送るのが精一杯。

体育館から公園出口まで歩く道すがら、帰路に着く地元の人たちがみんな無口だったのが印象的でした。そりゃそうです、私らのように天童に縁もゆかりもないくせに勝手に好きになってわざわざ馳せ参じるようなファンならばいざ知らず、たまたま今日は天気がいいから運動公園行ってバレーボールでも見てみようか、メグカナ対決みたいだけど山形のチームにいるのはメグちゃんのほうだからパイオニアを応援しようか、って位の気持ちで観戦してた地元の人たちや社員の家族にしてみれば、その場限りにせよ自分が応援してたチームにあんな負け方された挙句そのうえ敵チームの勝利インタビューで自分たちの応援のことをあんなふうに言われたら、そりゃー、傷つくよな…

私も頭の中はもはや激情を通り越して茫々漠々。
同じ負けでも負け方ってあるよなあ、としびれた頭のすみっこで呆然と考え続けました。
今は心がどこ触っても痛い痛い痛い、赤ムケヒリヒリ因幡の白兎状態。

そんな気持ちで茫々とタクシーを待っているとき、ふと見上げると東の空に、雪山の稜線がくっきり浮かんでおりました。
澄んだ冬空に冴え冴えと美しくて、ああきれいだなあと思ったら、涙が出そうになりました。
心がばっくり冷え傷ついている時には、自然の美しさがこんなにも透明に沁みこんできてしまうものなんだってことをつくづく思い知らされた私です。

天童駅に着き、一緒に応援してくれた近隣市町村の皆さんにせめてのお礼と思いわずかながらの山形土産を買ったあと新幹線に乗り込んだ後も、終始体中の感覚がぼうっとしていて、思考はずっと散漫のまま。
でも、そんなときでも、車窓からの眺めは本当に素晴らしかった。
まっ白い雪の山肌に夕焼けの紅が染みとおるように映えて。体育館を出て山の稜線を見たときも思ったけど、かつてイザベラ・バード女史が山形の地を「東洋のアルカディア」と表現したくなったその気持ちは、決して誇張ではないのだと改めて思いました。

どんな心ひしがれるような辛いことがあっても、それでも明日は巡ってくる。あきらかに、容赦なく。それは真実で、誰の上にも平等だ。
ああ、こんな時には、当たり前のことだけが縮こまった心にやっと届く…

すみません相変わらず心弱いです。鍛えます。


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