rioshimanの日記
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2004年10月03日(日) リムノス島(2日目)

 今日はギリシア語で Kyriaki 日曜日だ。先週はモリヴォスの宿のおじさんとレスヴォス西部をオートバイで遠乗りした思い出があるが、あれからもう一週間経った。時間が過ぎるのは速いものだ。

 日曜日のお店は観光客目当てのカフェ・バーとタベルナ(食堂)以外は全て見事に閉まっていてお休みだ。私はこの国のギリシア・サラダが大好きだが、それに入っている材料を時々スーパー・マーケットなどで仕入れ自分で作って食べる。それで今日手持ちのトマトが足りないのに気付いて開いてる果物・野菜やさんを探すがやっている店は一軒も見当たらない。酒類やコカコーラの瓶物を取り扱っている店は開いているのに。仕方ないので今日は物足りない分、スブラギ(串に刺した肉)を買って来て食事に添えた。

 昨日、浜辺からカストロを見上げる絵を描いたが、今日は午後から高いカストロに登り、頂上から見て下に広がる海の風景を描く。


 
 登る途中、ここはこんなに立派なカストロがあるのにどうして観光客を引っ張らないだろう、と疑問だったが登ってみてとんでもない事が分かった。カストロの頂上があまりに高くそびえているため登るのに恐怖感を覚えるのである。女性や子供、まして老人が登るなどはとんでもない、考えられもしない。
 私も最初カストロの最高部に達した時(そこだけ50cm巾くらいの歩道と低い壁を石とセメントで固めてくれているのだが、そこまでは岩と石ころ道)それでも足がすくんで蟹の横歩きのように壁を押さえて伝い歩きするのがやっとであった。足を滑らしでもしたら命が無くなるのは100%保証である。観光局は事故が起っても、とても責任が持てないであろう。
 
 それでも頂上付近に直径1.5mぐらいの丸い見晴し台スペースを作ってくれていたので、そこに椅子をすえ、風が意外に強いので帽子が飛ばされないよう画用紙がめくれないよう(画面の両側をピンセットで止めているが、吹く風の力で2度も画用紙が破けてしまった)注意しながら、そのうち危険なこともすっかり忘れてスケッチに没頭する。

 最初はこんな危ないところには誰も来ないだろうと思っていたが、たまに数組の観光客(勿論、健脚の男性ばかり)が後ろを通り過ぎて「特等席でいいですね」等と声を掛けてくれる。私はとっさの会話の場合、英語よりも先にイタリア語が出てしまうのだが、写真を撮ってあげた2人組の男性が以外にスムースに答えてくれたと思ったら、訊いてみると出身国がイタリアに近いマルタだった。そこでイタリア語で会話する。明日には飛行機でアテネに飛ばなくてはいけない短いヴァカンスをここで楽しんでいるとのことだった。

 カストロに登る途中気付いたのだが、今までのこの島の玄関港とはカストロを挟んで反対側にまた別の美しい蒼い海が広がっていた。海に沿うよう長いビーチが連なっている。
 そこでカストロから下りて宿に帰る前にそのビーチを探索がてらに歩いてみた。とても洗練されたカフェバー、レストラン、ホテルがずっと軒を並べていた。お役所関係の建物もここに集まっているようだ。情報誌「地球の歩き方」に載っているホテルもここにあった。なぁんだ、町の中心地はこちらに拡がっていたのだ。第一印象で物事を判断してはならないなぁ。一歩入り込まなくては分からないことも多い。


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