読了日記

2007年04月10日(火) 「仔羊の巣」,「動物園の鳥」


「仔羊の巣」

「動物園の鳥」
(坂木司著,東京創元社)



内容:ひきこもり探偵シリーズ、第2弾と3弾。で、完結。


Iサンからの借り物。

文章は1作目に比べて格段に読みやすくなっていますが、気色悪さ度は相変わらずです。
えーと、一昔前の多感で繊細な少女漫画家が小説を書いたらこんなんになるんでないでしょうか、という展開というか心理描写。これで作者が成人男性だとしたら、かなりの貴重種です。
探偵が幼児言葉になると笑えて仕方がありませんでした。

謎解きについては、ミステリー小説としてはこんなものなのかなーと思いますが、状況から導かれるいくつかの推測のうち探偵が示したものが全て正解というのは…まあ、太古ホームズの時代からのお約束ですからこれが許せない人はこの手の話は読んだらいけないんだろうとは思います。
しかし潜在意識下の謎(というより心の闇)を引っ張り出し、しかも全部解決し、皆が皆、ほぐれて「良く」なるのはあまり好みではありません。いえ、うそ臭いオールハッピーエンドは好きですけど、人により幸福の定義は違うと思うのに、一つの定義の下に皆が一様に解決しているみたいなのがどうかと思うので。皆が夫々の定義の下のハッピーなら好きなんですけど。
あと、絡まった糸がきちんと解けているのは良いのですが、すごい絡まってみえるのにするりと解ける…は良いんですけど、その解ける為のきっかけの一本が後から挿入されているよーな所がどうよ、と。

印象は最初と変わらず。
女子高生の厚顔と無知(決して悪い意味でなく)で書き上げた作品のよーだなと。

ところで、多くの共依存もの読んでいていつも思うのですが、「こいつはこのままではいけない。俺がいなくても生きていけるようにならなければ」という展開になるんですけど、あれがどうも分かりません。
その人が居なくなれば生きていけないほどの完璧な共依存なら、Aが死んだらBも死ぬ、で良いんじゃん?何で片方が亡くなった後のもう片方の生き死にまで考えなければならないんだ?
Aが死んでもBは生きていけるような軽度な依存なら分かるけど、Aが居なくなったらBも生きていけないほどの依存なら、Aが居なくなった時点で人生終わらせても良いと思うんだけど…。
これに関しては「こういう考え方もある」でなく、本気でそう思っています。一応、相手を生かそうとする人の理論は分かるんですけどね。


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