読了日記

2006年03月03日(金) 「屋久島ジュウソウ」


「屋久島ジュウソウ」
(森絵都著,集英社)



内容:森絵都の旅にまつわるエッセイ。


前半がこの本を発行するにあたって書き下ろしすべく企画された屋久島旅行の話、後半がどこぞかの雑誌で連載されていた小品で構成されています。
(※前半部分も単行本企画ではあるけど、雑誌掲載もされたそうです。)

前半部分、あまりの面白くなさにどうしてくれようかと思いました。
群ようこの「東洋ごろごろ膝栗毛」並。あっちよりまだ旅先の題材に触れているだけマシという程度。
良い素材を使っているのに調理が下手なばかりに不味く仕上がった料理という感じでした。この人は何からでもネタを作り上げられる人でなく、ただ見たものを書くしか出来ないんだろうなと思った。つまり、詰まらないものは詰まらないように、面白いものは面白いように、そのままは描けるけど、詰まらないものの中から面白いものを探し出して書く事は出来ない…という。

そう思いつつ読んでいましたら、後半に自分で白状していました。
「そうやって何もかもお膳立てしてもらった旅っていうのは、文章にするとあまり面白くならないんです」
「受動的な旅」は「どれだけ旅先が印象的でも、それを読み物として印象的に綴るのは至難の業」
なるほど。プロの物書きでもそういう人もいるのかと。

ただ、この人の「DIVE!」は本当に面白かった。「ショート・トリップ」はちょっと首を傾げたけど、「DIVE!」はとにかく面白かったです。
「DIVE!」を書いた作家のエッセイだから読んでみるかなと。

でもエッセイと小説って違うんですねー。
小説書くみたいにしてこのエッセイを書いていたらも少しは面白かったかも。
「小説家」にとって小説は創作だけど、エッセイはレポートで、面白く書くより事実を忠実に書く方が優先されるのかなーと考えさせられた本でした。

…梨木香歩のエッセイが文庫落ちしていたので、読んでみようかなと思ったけど、ちょっと買うのは戸惑ってみたりして。

あ、後半、連載していた部分は結構面白かったです。
ページが少ない分、だらだらとレポートしている暇はなく、本当に面白かった1ポイントだけを引っ張ってきているからかなと。

屋久島に関する本とか、もっと面白いものはあると思いますので、著者のコレクター以外買う必要ナシor文庫落ち待ちで良いと思います。
…恩田陸のエッセイの時もそう言ってたな、私…。
小説が面白いからと言ってエッセイが面白いとは限らないというお話。


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