台所のすみっちょ...風子

 

 

ほぉほぉほぉの神様。 - 2002年11月22日(金)

起きてメールを開けたら、旦那からメールが入ってた。

その件名は”ほぉっほぉっほぉっほぉ〜”

なんだそれ?

内容はと言えば、

「今、さんまのお悩み相談室に出てる人発見!

ロンゲのおやじで、ほぉっほぉっほぉっと笑う人。わかる?」の2行だけ。

・・・分かるとも!心の中でガッツポーズをし、聞こえるわけはないのに、

”お悩み相談室”ではない、”お悩みパビリオン”です。と旦那のメールに

ツッコミを入れる。

そうか、あのゴツイ瓦顔に鬼太郎の髪型を併せ持つ加藤さんに

会ったか・・・。

そういえば、加藤さんの職業はサラリーマンだと聞いたことが

あるような気がする。

だとすると、旦那の会社にほぉほぉほぉ〜と来社したのか!?

それとも行った営業先の会社で働いていたとか?

ならばそこの社員達も、太った加藤、痩せた加藤、

ハゲた加藤、背の低い加藤、その他、女版加藤、

というふうに、みんな加藤さんと同じような人種なのか!?

そうじゃなきゃ、あんな濃いキャラ、社会で働き続けられるわけがない。

そして社内には、「ほぉ〜ほぉほぉ」とあの甲高い声が

始終響き渡っているのか!?


あまりにムクムクと湧く疑問の多さに、その日に限って旦那の帰りが

待ち遠しい。


そして、夜、お帰り〜の挨拶もそこそこに早速旦那に聞いてみた。

「ね〜、からくりの加藤さんに会ったんだって〜?どこで、どこどこどこで!」
「そ、そうそう!東京駅から大手町まで地下鉄に乗ったらさ〜、いたんだよ」

「で、何してた?」
「座って新聞読んでた。」

「え〜、普通に?」
「うん、普通に」

ガックリ、普通に新聞なんか読んじゃあ、ある意味イメージダウン。
もうちょっと意味不明なこと、せめてつり革でけんすいとかしくれないと。


「誰も気がつかなかったの?」
「うん、誰も」

信じられない。インパクトだらけの加藤さんだというのに、
誰も彼に気づかないとは。
なんて東京砂漠、なんて寂しい都会ならではの無関心さ。


「なんで声かけなかったのよ〜」
「うーん、でも一駅だからあっという間に着いちゃって」


そうは言っても、彼は声を掛けるつもりだったらしい。
で、ついでに握手までして貰おうと企んでいたらしい。


その未完に終わったシナリオはこうだ。

新聞を読んでる加藤さんに静かに近づき「あの〜からくりの加藤さんですよね?」

と旦那が優しく声を掛ける。

加藤さんが「そうです加藤です。ほぉ〜ほぉほぉ〜」と笑いながら答える。

すると旦那も握手の手を伸ばしながら加藤流に笑う。

ほぉ〜ほぉほぉほぉ〜・・加藤さんの心はこれで掴んだ。

お互いの”ほ”と”ほ”がたぶって

ぼぉ〜ぼぉぼぉぼぉ〜ぼぉ〜ぼぉぼぉぼぉ〜ぼぉ〜ぼぉぼぉぼぉ〜。

2人で握手をしながら、ぼぉ〜ぼぉぼぉぼぉ〜ぼぉ〜。


車内中に彼らの声が響き、いつしか周辺は和やかな空気に包まれる。

そして周りの人々もその楽しさに促され、みんなの”ほ”が重なって

ぶぉ〜ぶぉぶぉぶぉ〜ぶぉ〜。

ぶぉ〜ぶぉぶぉぶぉ〜ぶぉ〜の大合唱を乗せて、地下鉄は都会を走ってゆく。

ガターンゴトーンぶぉ〜ぶぉぶぉぶぉ〜 ガターンゴトーンぶぉ〜ぶぉぶぉぶぉ〜

旦那はそんな想像をしては、ほくそ笑んだらしい。



一時の憩い・・・都会の寒空の下、

加藤さんはいっかいの営業マンに幸せな時間を

くれた「ほぉほぉほぉの神様」であった。(かも・・。)


おしまい。



...




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