JARO - 2002年11月16日(土) 私の良く行くスーパー。 都営住宅に囲まれ、私が住んでいるような高層マンションなども何棟かあり、 人口はそこそこのハズなのに、買い物できる所は周辺にその一件。 まったく一人勝ちもいいとこの店である。 資本主義のこの世の中にあって、競争原理がまるで働いてないのだから、 もちろん値段もぜんぜん安くない。 「こういう状況に甘えてるんじゃない!値段下げろ!」と、 買い物をしていてもなんだかんだとしゃくに触り、 素直に買い物ができないので、今日は思い切って違うスーパーで買い物してみた。 出掛けた先の駅のすぐ側、住宅がひしめき合う中にその店はあった。 入り口の自動ドアの脇には”人参一袋100円!”と紙の貼られたワゴン。 入る前から早くも私の買い物心に火をつける憎い演出。 店内には所狭しと商品が置いてあった。 陳列スペースにはもちろんだが、 狭い通路に置かれたワゴンには、レトルト食品やらインスタント食品、 お菓子などが崩れんばかりに積み上げられているのだ。 このゴチャゴチャ感、この無秩序感!いかにも庶民的!これは安いに違いない! 買い物心は、もう火事寸前である。 だが、ひと通り商品と値段を見始めると、このワクワクした気持ちは、 次第に先細りを始めた。 ・・・だってぜんぜん安くない、普通じゃん。 シメジ一パック198円。小さいインゲンが10本ほど入って298円。 いつもなら自分の選択ミスを棚に上げ、プンプン怒ってしまう私だが、 しまった!と気づくのに、10分もかかってしまった。 そう、私の目に移った品々の値段は、いつも行くスーパーの方が 安いぐらいなのに、それでもまだ、ここはイケル店”と 錯覚してしまう私がいたのであった。 何故か? それはワザと品物をギュウギュウゴチャゴチャにおいて、 何か掘り出しもの、お値打ちものがあるに違いない!と、 消費者に思わせる”ドンキホーテ式”に私がうっかり のせられてしまったのと、もう一つが値段の表示方法。 A4を縦に二つくっつけたぐらいの大きさの台紙に 太い黒のマジックで縦横幅いっぱいに書かれている値段。 それが、壁にもベタベタ、棚にもベタベタ、ワゴンにもベタベタの貼りたい放題。 かなりの迫力で、それだけでも今買わなければ損!みたいな気持ちにさせるのに、 さらに、その紙の色が黄色ときたもんだ。 黄色といえば”注意!” 黄色といえば山田洋二監督”幸せの黄色いハンカチ”。 つまり、注目させたり、幸せな気持ちにさせたりするには、 持ってこいの色ってことだ。 なんと巧みな販促方法か! 黄色い紙には”特価”などという文言も書かれていて まさに、誇大広告。 日本広告審査機構”JARO”対象であった。 「ウソ、紛らわしい、事実と違う。」 この3つの条件のどれか一つでも 当てはまれば連絡OK!とJAROはいつもテレビで言ってる。 しかし、騙されたと分かっても結局うどんと鶏肉のパックを持ってレジに並んで しまった私。 どうしても、今日はそれが必要だったのだ。 待ってるあいだ、もう一度ワゴンに貼られた黄色い紙達を見る。 なんかこの光景見たことある。 ん?・・・ラブホテル・・・。 貼られまくってビラビラしてるさまは パッと見、郊外のラブホテルの入り口に垂れ下がってるヤツそっくりだった。 ムラムラする効果も狙ってるのか? 気持ちを高揚させて買わせる作戦なのかもしれない。 どこまでも巧みな戦略に、最後は清々しさまで感じる始末であった。 許す。 おしまい。 ...
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