台所のすみっちょ...風子

 

 

「ハムの詩」 - 2002年11月15日(金)

”おー、ハムよ、あなたはどうしてそんなところに。”


昼過ぎに起きて、台所にコーヒーを入れに行ったら、

ラップに包まれふにゃけたハムが流し台の上にポツリ。

どうした、ハム!何かあったか!?と思うまでもない。

やっぱり今日も作れなかったのであった。

旦那の朝ご飯。

トーストにハムをのっけたヤツだ。

そのハムは私が寝る直前、つまり旦那の起床時間の3時間前の午前4時半、

私が旦那の朝食用に使ってやるぞ、と意気込んで、

解凍すべく冷凍室から出しておいたものだったのだ。



”おーハムよ。私のこともわかってください。”


朝方に寝る私は、当然旦那が起きる時間は夢の中。

朝食は勘弁してください!そう言い切ってしまうのは簡単だ。

が、旦那あってこその安定した私の日常。

いや、私のことはいい。

すべては、旦那の健康が心配、彼の為だ。

だから例え、朝起きることがでずとも「食わせるぞ!」という

意気込みはある!ということは言っておく。



”おーハムよ。私をどうか叱ってください”


それに、毎朝ぐーすかぴーすか寝ているグータラさに、

離婚でもされては大変。私は明日からどうやって生きていけばいいのだ。

結婚8年、そろそろ旦那も限界が来てるハズ。

でも、こうしてハムを出しておけば大丈夫。

出掛ける前に必ず台所で喉を潤す旦那が

「おっ、作ろうとしてくれていたのだな」と私を可愛く思ってくれること

間違いなし。

いや、違う、、、あくまでハムを用意しておくのは、

しつこいようだが旦那の健康のため。

ハムを免罪符に使うだなんて・・・とんでもない・・・・。



”おーハムよ、あなたはどこへ行くのですか”


ということで、私の一日はまずへたれたハムを見ることから始まる。

自分の不甲斐なさを思い、激しい懺悔の中、私はハムを

いちべつし、冷蔵庫からマーガリンを出す。

食パンを2枚オーブントースターに入れ、”トースト2枚”のボタンを押す。

中でくるくると回る2枚のパンの焼き加減に気をつけながら、コーヒーを入れ、

3分半待ってチン!という威勢のいい合図と共に、

こんがり焼けたトーストにバターをぬりぬり。

そして、ハムを上にのせる。


ハム、いただきます。



”お〜、ハムよ、あなたはどうしてこんなにも美味しいのでしょう”

・・・・満足。


おしまい。



...




My追加

 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail