母さ〜ん、、お茶〜〜! - 2002年11月12日(火) 金曜日夜、2番目に勤めた会社の後輩と同僚が遊びに来た。 私がその会社にいたのは8ヶ月間と短い。 なのに、来てくれる。なんてありがたや。 夕飯の鳥だんご鍋を食しながら、久しぶりに聞く元いた会社の話。 「鍋をつつく」というのが会合の主旨であったのに、 「辞めちまって良かった」と、とっとと辞めた自分の 決断が大正解であったことを改めて、いや予定通り確認する場となった。 2人は、私に”会社の今”を伝えようと丁寧に話してくれるのであったが、 聞いてる途中、果てはイントロどん!のクイズのように 「皆まで言うな」という気分になったりする。 辞めて2年も経つというのに、「おはようございます」「お疲れさまでした」 の挨拶もない、あの信じられないほどの暗い社内の雰囲気は ちゃんと思い出されるのであった。 そう、私があの会社のことで、覚えているのは任されていた仕事の内容とか、 たまに顔を見せる社長が猿の惑星のコーネリアスそっくりだとかいうことより、 「笑っちゃうほど暗い会社」ということ。 いや、本当に笑ってしまったこともある。 あまりの暗さに可笑しささえ感じ、一人給湯室へ行って。 会社は北陸の某県に本社がある一部上場もしていた結構な会社。 私の勤めていた東京営業所の社員は40人。 一部5人ぐらいを除いて、あとは全員そこの県人という都心のど真ん中にして、 ”リトル○○県”の異名を持つその会社は、社員一人一人が 何故か異常にしんみりとしていて、社内の空気も暗くどんよりと沈んでいた。 そのことを知人に話したら、「北国の人達の集まりだからじゃん」と言われた ことがある。 確かに”北国の人は無口”という印象が一般的にはあるのかもしれない。 厳しく長い冬が、静かにじっと耐え続ける人々の姿を思わせるのだろう。 が、私だって寒い新潟出身。 自慢じゃないが、うるさい!と怒られることはあっても、 静か、なんて言われたことがない。 ましてや、挨拶ぐらいちゃんとできる。 風土との関連性は少しはあるにしても、あまり関係ないような気も するのである。 そんなわけで、私は社内のあの暗さをワンマンすぎる社長、コーネリアスに 原因があるのではないかと見ていた。 社長の声は天の声!的な雰囲気があり、コーネリアスが厳しくマメにチェックする 営業の成果に、社員が戦々恐々としていたのだ。 その縮こまりようは、親として尊敬されたいのなら、 自分の子供には絶対見せるな!というぐらいであった。 しかし、なんたって上場企業。いい会社だという人もいた。 実際、私が知り合いに話をすると、そんなふうには見えないよ! などと同調されず、私的にガックリするような答が返って来ることもしばしば。 それもそうだろう。そんな内面と違い一転、客が来たときの 変貌ぶりには素晴らしいものがあり、一度でも事務所に足を踏み入れた者は 対応の良い親切な会社、又はハキハキとした人達の集団と錯覚するに違いない。 外面は信じられないほど良かったのだ。 担当の営業がたとえ不在でも、いつもはぶすっとしている上司が ニカッ〜とした満面の笑みを一瞬にして作り、揉み手で対応。 で、それがどのくらいのテンションだったかというと、 エリートと婚約し、玉の輿に乗ることが決まった娘の父親が、 その婚約者をホクホクしながら迎える時、といった感じ。(なんだそれ) 例えば、 「ただいま〜〜。(暗く、疲れて) おっ!なんだ〜、真一君来てたのか!いらっしゃい。(急に元気になる父) んっ?今日は何?えっ?幸子と映画かぁ〜、いいね〜若い人達は〜 で、幸子は?何?着替え中?いかんな〜真一君をお待たせするなんて! おや?茶も出してない。いやっ!申し訳ない。今入れさせるから。 お〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!母さん〜〜〜〜〜〜〜〜〜! 真一君にお茶差し上げて! 母さん聞こえないのかぁ〜〜〜!真一君にお茶だよお茶! すみませんね〜、失礼しちゃって・・今お茶出しますから。 おい!母さん!真一君にお茶だよ〜〜!おい! お〜〜〜〜〜い、かあさ〜〜〜〜〜ん、お茶〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」 みたいな・・・・・・。 おしまい。 ...
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