公共性。 - 2002年10月30日(水) 着いた電車に乗り、窓の外からホームを眺めていると、 私と入れ違いに、その電車から降りたと思われる女子校生が、 ポーンと勢い良く白いものを投げ捨てた。 良く見ると、それはこぶし大よりやや大きめに丸め、固められたティッシュ。 ゴミ箱に向かってではない。ホームに叩きつけるように捨てたのだ。 なんか、ソフトボールの練習か? それともイヤなことでもあったのか? だって、ピュンと落ちるそのスピードは、明らかに彼女が手首の スナップを利かせたと思わせるものがあったので。 「なんだぁ〜」と呆気にとられている間にドアがプシュ〜〜〜ン。 走り出した電車と平行にホームを歩く素知らぬ顔の女子高生。 物を故意に不法投棄しておいて、堂々と行くその態度も可愛くなかったが、 実際、彼女は外見も可愛くないのであった。 私はその態度には本当にムカついた。 だから言わせてもらうが、 細く整えられた眉は昆布の佃煮といった感じだし、 アイラインとマスカラでバッチリ縁取られた目は小さく、 顔面の上をチョロチョロ泳ぐメダカのようだ。 おまけに彼女は太っていた。まるで、餅つきの臼。 こうなると、女子高生のチャームポイントであるルーズソックスも 臼に巻いた手ぬぐいぽい。 そうか、堂々として見えたのは、その体格でずしんずしんと 歩いていたからなのか。 「女は外見じゃないわ!内面が大切よね」 良識ある人々はみんなそう言う。 そう、女は決して外見がすべてじゃない。 そして、内面が美しければそれでいいとも・・。 私は基本的にはこの考えに賛成だ。 けれども、女を取り巻くこの社会、この言葉は自分の容姿に イライラする人に対しての沈静剤では?と、思う時があるのも事実。 こうなると、外見がイケてない場合「自分はこれだけ美しい心の持ち主でっす!」 みたいな事を行動でアピールする必要があるものと考えられる。 なのに、彼女はゴミをホームにポイ捨てした。 これは、彼女にとっては大きなマイナスだろう。彼女は油断し過ぎていた。 きっと、あの時、見ていた人すべてがガックリしたに違いない。 「あ〜あ、行為もマズイが顔もマズイ」なんて。 駅を一つ二つと過ぎ、目的地に着くまでの間、 では、これが深田恭子だったらどうだろう?と考えた。 私は深キョンが大好きである。 彼女の、のんべんだらりとした演技も噛みそうなセリフの言い回しも 許す!可愛いからおばさんは許す!と常日頃から私は彼女に対しては 寛大だ。 しかし、彼女があの”臼校生”と同じ行動をとったなら・・・。 やはりこのおばさんは許せない。 いくら、彼女が可愛くても、それはそれなりに 「可愛いからって、公共の秩序を破ってんじゃね〜〜よ」ぐらいに 思ってしまうだろう。 それを目撃した人々の心に ”可愛らしさを鼻にかける憎たらしい女”という レッテルが貼られることは間違いない。 電車に乗ってる間中、そんなことばかりを考え、出した結論が 「公共の場ではブスでも美人でも、それなりにルールを守る姿が、 本人の美しさ、株を上げることになるんだなぁ。」であった。 おしまい。 ...
|
|