今日もガサゴソ
INDEX|戻る|進む
小説を書きなさい、と 仰ったのは昨年亡くなった学生時代の恩師です。 自分が何をしたいのか見当もつかず ギリギリの出席と成績で卒業も怪しい私に 何を書けというのか。
好きなことを書けばいいさ、と 先生は仰る。 文章がうまいだとか下手だとか 誰かが読んでくれるかどうかとか 売れるか売れないかなどはどうでも良いことだ とにかく書くことだ 自分を信じなさい、と
そのころ、森瑤子という作家がデビューして 注目されていました。 この人の作品より、エッセイに惹かれました。 なぜ小説を書かねばならなかったかが えぐるように胸に刺さってきました。
多分、私は、幸せな結婚をしても心が満たされることはないだろう デビューする前の森瑤子氏のように 孤独にあえぎ、苦闘するだろう 自己表現の手だてを求めてさまよい続けるだろう
実際、何をしたいのか見当もつかないので その日から、真剣に、 大学ノートに思いついたことを書き留めることにしました。 本を読むことと、書くこと。 これだけは続けていこうと思いました。
様々な本を読んでいるうちに 市井の人々のささやかな暮らしを活写した小説が 好きなことに気付きました。
スタインベックの「キャナリー・ロウ 缶詰横丁」(福武文庫)と アンダスン「ワインズバーグ・オハイオ」(新潮文庫)を 読んだときに、これだ、と思いました。 こんな小説を書きたい。
一時期は 熱心に小説を書いていましたが 私自身の人生経験の不足を痛感して 再びのんきに文章修行しております。
人付き合いが得意な方ではありませんが なんとなく隣り合わせた方に 人生の機微をおすそ分けして頂くことが多いのです。
つまらない人なんていない。
このことが 今の私を支え、導いているように思います。
|