今日もガサゴソ
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2003年05月31日(土) 三つ子の魂

父は9人兄弟の末っ子でした。
故郷では末っ子のことを「バッチ」「バッツッコ」などと称して
甘えん坊であるとか我が儘であるとかそういった
ニュアンスを含んだ呼び方をします。

父(テルちゃん)とすぐ上の兄(ノンちゃん)の間には
二歳で亡くなった男の子があったそうです。
幼子を亡くしたショックから、
テルちゃんは必要以上に甘やかされ
真綿にくるむようにして大切にされたそうです。

祖母曰く、これほど気難しく手のかかる子はなかったそうです。
何をしてもグヤグヤ不平たらたらで、口が奢っていて
何を食べさせても良しということなく文句ばかり言う。
身体が弱くて心配ばかりさせる。
9歳まで懐に潜り込んでおっぱいを吸っていたそうです。
出ない乳の分は毎日仕事帰りの長兄が小さなコンデンスミルクの缶を
買って帰ったのを吸ったそうです。

そんなテルちゃんですから
当然、日中の家人が忙しい時刻はノンちゃんが面倒をみます。
ノンちゃんが学校に行くときはテルちゃんもくっついて行くのです。
昔はそんな登校風景が良くあったとのことです。
テルちゃんは字も読めて計算も出来て小生意気で、
しばしば授業を妨害して有名だったそうです。

ある日、テルちゃんは机の上の棚を探索していました。
四歳くらいだったそうです。
何となく手に取ったおもちゃが、実はノンちゃんの貯金箱でした。
何だろうといじっていると、パカッと壊れて中からお金が
ジャラジャラ出てくるではありませんか。
それから何日か、駄菓子屋に通ってまんじゅうを食った食った食った。
ある日、それが露見して
表のドブに足を持って逆さづりにされてお仕置きされたそうです。
テルちゃんは勝手にお金を使うのが
悪いことだとは知らなかったんだそうです。
以来、何かモノがなくなったりして不都合なことがあると
泥棒はテルちゃんの専売特許として疑われてばかりいたそうです。

今でも語り草になっているのは
テルちゃんとノンちゃんが喧嘩して、
四歳も離れているから何をやってもかなうわけもなく、
悔し紛れに叫んだテルちゃん。

「俺が大人になって、
ノンちゃんがお爺さんになったら仕返ししてやるぅ!」

こんな話を70歳になってもされるんだから
たまりませんよね。




父は今もグヤグヤ不平たらたらで
口が奢っていて、母が世話を焼いています。
手がかかるのは
脳梗塞の後遺症ばかりではありません。
生まれつきです。


結婚が決まったとき、祖母は母に
「あんたのような天使のような人に
あんな悪い男が亭主になるとは気の毒だ。
あの子をあんなに我が儘に育ててしまった母を許してけろ」と
手をさすって謝ったそうです。
謝ることはありません。
生まれつきです。






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