私の伯母は 主婦の鏡のような女性 料理は上手 子育ては完璧 良い奥様 伯母のような女性だったら どんな男性も 幸せだろう ・・・・そう思っている そんな伯母と 今日一日を過ごした いい加減な私の話など きっとあきれて聞いていることだろうと思っていた 私はそんな自分を悟られないように 勤めて明るくし 伯母を笑わせた 何時間が過ぎただろう お腹を抱えて笑ったり 笑わせたりの繰り返し そのふとした合間だった 「今ね すごく悩んでいるの 泣いてしまうから 言えないけれど 言えるときが来たら話すね」 『え?伯母さんに それほどの悩みがあるとは思わなかった』 正直にそう言ってしまっていた 明るくて優しくて いつも気遣いをして・・・ 確かに伯母のように生きていると 傷つくことも多いと思う でも 年の若い私には そんな心のうちは 明かさないと思っていた 「誰にでも何かしら悩みはあるものよ」 意外な顔をしていた私に 伯母がそう言った そんな伯母が何やらとても 寂しそうに見えて 悲しくなってしまった
なかなか結婚せずに お見合いで結婚 晩婚であったが 女の子と男の子が生まれ 2人を大学にいれ 家を建てた ・・・私にはとても耐えられない 好きなことは? 見たいものは? 行きたいところは? 自由な時間は余るほどあるのに 家のことだけで 一日を過ごす 伯母にとっては 子供たちが全て 今 巣立った子供たちを思い それぞれの生き方に悩む 私はどれほど子供に自分を注いでいるだろう 注げるのだろう これからどれほど子供のために生きられるだろう 伯母のようには生きられないとしても 子供と向き合う自分の姿が ひどく情けなく思えた
今朝 子供の熊のぬいぐるみを見つけて ぎゅっと抱きしめてみた 4才の娘が 「お母さん くまちゃん愛してるの?」 と とてもまじめに聞いた そんな難しい言葉を理解しているとは思えないが 娘にとっての「愛してる」は ぎゅっと抱っこすることだとわかった 愛してあげるからおいで 私もまじめに言った 娘は照れながらも嬉しそうに抱っこされた 腕の中に包み込む・・・包まれる 何て小さな命なのかと せつなくなった
「幸せは人の心が決める」 もっと幸せになれるのではないかと いつも今に満たされずにいる私は どこかおかしいのだろうか
花
どんなに素晴らしい形でも
どれほど美しい色であっても
妖しく艶やかな香りであっても 奢らず 高ぶらず
ただひっそりとそこにある
どんな自分であっても
どこに置かれたとしても
全てを受け入れ
よろこぶことができる
どうしたら
花のようになれるだろう
何を捨てたら
幸せで満たされるのだろう
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