三楽の仕事日記
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2011年02月12日(土) 参加型の授業形態 生徒の自信と無関係

 三連休に入る前は、雪を覚悟していたが、予想に反して穏やかな1日。体のメンテナンス相談に出かける。

 日本教育新聞を見ていたら「参加型の授業形態 生徒の自信と無関係」というタイトルが目に飛び込んできた。おや?これはどういうことだ?と思い、記事を読む。ベネッセ教育研究開発センターと東京大学の共同調査結果とのこと。さっそくネットでその調査を検索。

 まず、なぜ参加型の授業形態と生徒の自信との関係を探ろうとしたのか。その理由は次のとおり。

 根本(2007)は、日本の子どもの自尊感情が低い要因として、学校が一方的・画一的な教育を行い、子どもたちに服従を強いていることを挙げ、子どもが主体的に取り組めるような参加型の授業を豊富に取り入れることを提言している。このような論調に伴い、各自治体や学校において子どもの自尊感情を高めるような授業研究が行われており、これらの多くが「子どもが自ら主体的に活動したり、課題を達成したりする」ことを重視している(安東(2007)など)。しかしこれらの提言には実証が伴っておらず、本当にこのような取り組みが子どもの自尊感情に影響しうるのか定かではない。

 調査の結果は以下のとおり。

 子どもが「自分はダメな人間だ」として自分を卑下してしまう感情(自己否定感)は、学力上位層ほど低い。

 自己否定感は、生徒参加型の授業を多く受けることによって軽減されるものではない。学校の先生から積極的に話しかけられることや、親からほめられること、親とスポーツや余暇を楽しむことといった周囲の大人との関係が充実することによって軽減される。

 周囲の大人のいかなる行為が子どもの自己否定感を軽減するかは、その子どもの学力階層によって異なる。本稿では、先生から積極的に話しかけられることは学力階層にかかわらず自己否定感の軽減につながり、親からほめられることは主に学力上位層の、親とスポーツや余暇を楽しむことは主に学力下位層の自己否定感を軽減することが実証された。


 「参加型の授業」とはどのような授業を指しているのかに興味がわく。一例として「議論をしたり意見を発表しあったりする授業」が挙げられているが、そもそも授業形態によって子どもの自尊感情が高まるとは、多くの教師は思っていないのでは?教師が介在して、子どもの発言の価値を仲間によって気づかせたり、教師自身が価値づけたり(つまり褒めること)することがなければ、自尊感情を高めることまで達することは難しいと、自分自身は考えている。

 もっとも「学び合いの授業」で、4人1組での話し合いをじっくり観察していると、教師が介在しなくても、子ども同士で高め合っている場面に出くわすことはある。自分の疑問に仲間が賛同してくれて、一緒に考え始めてくれたシーンに出会ったことがあるが、疑問を発した子どもは実に満足気そうだった。もちろん、仲間が「とても良い疑問だねえ。みんなで考えてみようか」などとは言ってはいない(笑)。


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