三楽の仕事日記
DiaryINDEXpastwill


2011年01月29日(土) 第9回志水塾本大会を参観

 第9回志水塾本大会を参観するために、名古屋・伏見の愛知県青年会館へ。忘れられない第1回大会は2003年1月4日(土)。この仕事日記開始日でもある。

 中学校部会での模擬授業による授業力アップ風景を参観。熱い研修会に圧倒された。

 まず参加者の意気込みが違う。土日二日間、愛知、長野、広島、滋賀、東京など全国各地からの集まってきた参加者。講師の一言、一言に頷く、理解を表す声を出す。重要だと思われることは、即、メモする。学ぼうとする意識の高さは抜群!

 この日の研修会プログラムは次のとおり。
1.一人一人が模擬授業を実施する。(一人が授業者、あとは生徒になる。場面は共通。5分間)
2.気付いたことをコメントする。(良さや課題の共有化をする。子どもの立場になって気づいたことを知らせる。授業を見る力を高めるなどが目的。5分間)
3.2人の講師が模擬授業とコメントをもとに授業力アップのポイントを整理する。(2分間)


 一人一人が全員の前で、同じ場面で模擬授業をする。このような研修会は他にあるだろうか。

 授業はわずか5分間。しかも同じ場面。展開も同じになるだろうと思われる方も多いだろう。けっしてそうではない。だから授業は面白い、奥深い。

 「y=4/3x(比例定数は3分の4)のグラフを簡単にかきましょう。原点ともう1点の座標を求めて、2点を使ってグラフをかきましょう」までは共通場面として設定。最初の生徒の反応も授業者が決めることができる。(1、4/3)あるいは(3、4)のいずれかを選ぶ参加者。

 「では、もう1点はどこにしましたか」
 「(1、4/3)」です。
 「なるほど、……」
 
 重要なのは、この「なるほど」の後だ。どういう言葉を発するか。これで授業は大きく変わってくる。あなたなら、どういう言葉を発しますか?

 「皆さん、どうですか?」
 「同じ点をとった人は?」
 「ほかの点をとった人は?」
 「では、このグラフ用紙にその座標をとってくれますか」

 生徒役の発言を受けた一言が違えば、その後の反応はもちろん異なってくる。ある生徒役は「もっと簡単な点がとれる」とつぶやいた。僕が授業者なら、この「もっと」「簡単」という言葉は、とてもおいしい言葉。

 「もっと」ということはどういうこと?と切り返したら、「(1、4/3)もいいと思うけど、分数でなくて……」などという言葉を引き出すことができるかもしれない。

 また、その場で「もっと」「簡単」という言葉を板書したらどうだろうか。聞き逃していた子どもが、その子どもの発言の意味を考えるのではないだろうか。

 ちなみに「(1、4/3)は分数が入っているから嫌だね。整数で言える人?」などと聞いてしまったら、この時点で、もはや授業とは言えない。もちろん参加者でこのように発した人はおられない。ところが学校訪問時などでは、こういう場面に出くわす。

 (1、4/3)と発言した子ども役は、ある教師の対応に「僕の考えがどうなのかがはっきりしないままの展開で、とても不安でした」とコメントをした。

 子ども役になってみて、初めて気づくことがある。いろいろな方のコメントを聞くことで授業を見る目も高まる。講師陣のポイント解説にも感服。同時に、自分は授業を見る目が衰えていることを自覚。焦燥感といったらいいだろうか、なんとも表現できない気持ちになる。インプットせねば!

 明日もこのような研修会が終日実施される。今回の参加者は各地でのリーダー的存在の方ばかり。この方々がここでの学びを各地に持ち帰って、「志水廣授業メソッド」を伝えられるに違いない。

 なお、「志水メソッドを生かした算数・数学の授業プラン」(志水廣、算数・数学授業力アップ研究会編著、for next)が発刊された。上記のような研修会ができるプログラム例やワークシート満載。購入は志水先生のサイトで告知されるとのこと。
 


2010年01月29日(金) LES圧の大幅な改善
2009年01月29日(木) 良い方に出会う
2008年01月29日(火) 義務協報告書配付に向けて
2007年01月29日(月) 校務の情報化の本質
2006年01月29日(日) 成果が上がった日曜日
2005年01月29日(土) 縄文落語会&2005年の教室を考える会
2004年01月29日(木) 浜之郷小の同僚性?
2003年01月29日(水) 厳しさ1番?