三楽の仕事日記
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2006年11月19日(日) 地域ふれあい学びフェスティバル当日

 今日は「地域ふれあい学びフェスティバル」。車のフロントガラスに落ちるボツボツとした雨に心配しながら学校へ。7時30分、すでに実行委員の皆さん、職員でテントの立ち上げ作業中。このまま雨が落ちてこないことを祈りながら、僕は「今どきの中学生講座」のプレゼンを立ち上げて、子どもにバトンタッチ。そして看板立てなどを。ほとんどは皆さんにお任せ。テキパキと動く皆さんに圧倒されっぱなし。

 9時ごろにはボチボチと人が集まりはじめ、9時30分にはかなりの来校者。講座や出店、中庭ライブが始まるころには、どの場所にも人が集うようになった。「順調ですね」と実行委員さんらと進行を確かめ合いながら、校内のあちこちを回った。昼過ぎには大粒の雨が降り出したが、それも一時的なもの。15分間前倒しして、体育館では最後のプログラム、吹奏楽部の演奏開始。アンコール後、実行委員長が涙を隠してのご挨拶。そして三本締め。

 体はいつも以上にヘトヘトなのだけど、充実感でいっぱい。うれしいことばかりの1日だった。

 3年前にフェスティバルに来校され、厳しいコメントをいただいた大西さんから、ものすごくうれしい言葉をいただいた。『「やらされているイベント」から「自ら楽しんでいるイベント」へ変化したことが、学校に入った途端に分かりました』という一言。確かに3年前は、過去のフェスティバルをなぞりすぎていたのかもしれない。だから、そこには自ら考えるという行為が少なくて、与えられたことを責任をもってこなすという感じがあった。だれもが一生懸命だったことは間違いないけど、みんなで創り出していくという気持ちは少なかった。それが大西さんには「やらされているイベント」という印象を持たせたのかなと改めて思った。あの時に大西さんから突きつけられた質問を思い出した。「何のためにこのようなフェスティバルをやっているのか、まったく分からない。何が目的なのか」。これだけの規模のイベントを開催している我がPTAさんの素晴らしさを感じて欲しいと思いつつ、それにどう応えたのか、よく覚えていない。でも今なら違う。「地域コミュニティづくりです。地域のみなさんに学校に集まってもらい、この地域に住む人々の結びつきを強くしてもらいたいのです」と応えたい。

 それまでの地域ふれあいフェスティバルの財産を大切にしながら、昨年から実行委員会を組織した。地域コーディネータさんに実行委員長さんになっていただき、区長、PTA渉外部、PTA専門部、おやじの会、ジュニア奉仕団、生徒、学校のそれぞれの代表で、どのようなフェスティバルなら、私たちの願いが叶うのだろうかと考え続けてきた。今年は「学び」をキーワードに、「夜の光ヶ丘中学校=大人と子どもが一緒に学ぶ」の集大成の場として、フェスティバルを位置付けた。

 PTA専門部による講座が一気に増えた。それも講師を連れてきてのお任せ運営講座ではなく、皆さんが学んだことを参加していただいた皆さんに伝える形式、講師と相談の上、体験やゲームを取り入れ学ぶ側の気持ちを十分に理解した講座運営がなされた。おやじの会さんは教室を「なつかしや」という店に変身させ、昭和30年代の駄菓子やおもちゃや紙芝居で楽しませてくれた。昔のおもちゃが媒体となって、こどもとおやじが会話をしている風景がとても良かった。地域の愛林会のみなさんは、教室に何本も竹を持ち込んでいただき、里山の大切さを知らせていただいたり、子どもには竹細工を教えていただいたりした。先生たちも「おもしろ歴史話」(←聴講者2名で残念だったけど)と「おもしろ理科実験」講座を担当してくれた。もちろん子どもたちも「お化け屋敷」「校内探検ツアー」「今どきの中学生講座」「バスケットフリースロー大会」「卓球選手権」「ソフトボール大会」「中学生カフェ」と多くのイベントを企画運営してくれた。その多くがこどもだけで準備・運営されたことが誇らしい。ジュニア奉仕団のバザーは、例年のように多くの世話人さんと子どもたちで、かなりの時間を費やして準備を進めてきた。その甲斐があって、今年も大盛況。中庭ライブでは、恒例の演劇部をはじめ、今年は現役中学生が多数出演、OBも、大草の皆さんも、そして教員を含むおやじさんの出演もあった。大草地区の全面的なバックアップでできた餅つき、地域の皆さんの産直野菜市、PTA・OBによる出店、特別支援学級+職員の出店、PTA専門部の出店なども大盛況。とても全てを書ききれない!申し訳ない。忘れていけないのは、目立たないところで活動していただいたPTA渉外部+職員。チケット販売、駐車場整理、おにぎり運び、放送係、特にいつ見ても走り回っていた実行委員長さん、PTA会長、母代、教頭さん。さぞかしお疲れのことだろう。

 僕の気持ちは単純だ。こうしたことを通して、関わってきたみなさん、当日集ったみなさんの間で、会話が生まれて仲良くなればいい。人となりが分かり合えたらいい。わずかな時間でもいいので、職員も一緒に交じって、地域の人たちと仲良くなればいい。そんな気持ちだ。今は、実行委員会での「にこにこ顔」の会話、当日、あちこちで見られた「笑顔のコミュニケーション」が次から次に思い出される。皆さんのおかげで「平成18年度の地域ふれあい学びフェスティバル」も生涯忘れられないものになった。

 そうそう、一つ書いておきたいエピソード。「緊急携帯メール」の威力!PTAさんの「豚汁」がこのままでは残ってしまうという報告を受けて浮かんだアイデア。「緊急携帯メール」で「ただ今から豚汁を一鍋200円から販売します。お鍋あるいはタッパをご持参の上、学校にお越しください」という呼びかけメール発信。さすが情報社会。鍋を持って駆け込んでいただいた方が十数人。完売だったとのこと。

 PTA活動室で1日の振り返り。いい話がいっぱい聞けた。今、学校教育には厳しい目が注がれているけれど、怖じ気づくことなく、良いと思ったことは積極的に取り組んでいきたい。地域のみなさんと仲良くなれば「良いことは応援してもらえるし、これは?と思われたらストップもかかるはず」。こんなことを思いながら帰宅。


2005年11月19日(土) 学校公開日
2004年11月19日(金) 明日のワークショップ打ち合わせ
2003年11月19日(水) 今日は学びの日