全てフィクションです 【DRESS】 - 2003年02月05日(水)僕はまだぼぅっとしていた。 「ここはパパの家だから、安心してここにいなさい」 そう言って僕をここに座らせている。 大きな家だ。 今まで僕達が住んでいた小さなアパートとは全然違う。 さっきの知らない女の人が僕に温かい珈琲牛乳を入れてくれた。 「ありがとうございます」 珈琲牛乳を両手にとって口をつけた。 昨日学校から帰ってきてから、まだ何も食べてない。 飲み物が胃に温かかった。 「お腹空いたでしょ。今何か作るからね」 女の人は向こうへ行ってしまった。 父は僕の肩に手を置いて口を開いた。 「あの人は、パパの奥さんだよ」 ああ、そうか。やっぱりな。 母と別れた後に再婚したっておかしくはない。 「お前には妹が二人いるんだ」 そうして父は、今の自分の環境を淡々と語り始めた。 僕より3歳年下の妹、そして年子で更にもう一つ下の娘がいると言った。 小さい頃に僕が入院した時、あれからずっと僕を探していたそうだ。 最初は跡継ぎの為の男の子欲しさに僕を探していたが、 今は単純に僕に会えた事が嬉しいと言った。 そして「これからはここがお前の家だよ」と。 -
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