...ねね

 

 全てフィクションです

【DRESS】 - 2003年01月28日(火)

サチが入院している間、父親は先日の言葉通り毎日やって来た。
自分の息子の顔を暫らく眺め、いつも特に話もせずに病室を去る。
そして廊下では初日ほどの激しさではないにしろ、
母親との言い争いをしてから帰って行った。

退院が決まった日まであと2日程になった頃
いつもの様に父親がサチを見舞いに来ると、病室には誰もいなかった。
ベッドは片付けられ荷物は何も無くなっていた。

「あ、あのう、うちの・・・」
丁度そこに通りがかった看護婦を捕まえて、
サチの父親は自分の息子の事を尋ねようとした。
少しムッとした様子で看護婦が事の顛末を教えてくれた。
どうやら、医師の決めた退院の日を待たずに
サチとその母親はさっさと出て行ってしまったらしい。
「私たちもお止めしたんですけどね」
看護婦は頬に手をあてふう、と溜息を漏らすと向こうへ行ってしまった。

「はぁ・・・そうですか」

全くあの女は何を考えているんだ。
俺の大事な息子をこんな目に遭わせて、しかも
完全に治ったわけではないのにどういう事なんだ。
あの子は俺の子なんだ。俺の息子なんだ。
何としてでも取り返してやるからな!

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こうして結局母の企みは成功せず、
僕はそれから男として生きて行ける事になった。
この話を聞かされてからこっち、思い出す度に股間の辺りがむずむずする。


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