全てフィクションです 【DRESS】 - 2003年01月11日(土)間も無く救急車がサチを病院へ運んだ。 サチの睾丸は腫れ上がり、早急に手術室へと運ばれた。 彼女は間違って睾丸を打ちつけたのだという事を繰り返し説明し 医師が、睾丸が片方破裂しているので 片方だけ摘出しなくてはならないという事を告げると 母親は顔色を変えて医師に掴みかかった。 「先生!取ってください!全部取ってください!」 最初、そこにいた誰もが、この母親が何を言っているのか分からなかった。 せっかく健康な睾丸がもう一つ残っているのにそんな事は出来ない と医師は彼女の剣幕に怯みながらも言う。 それでも母親は医師にくってかかった。 「全部取ってください、この子は女の子として・・・!」 「女の子に!?そんな事出来るわけ無いでしょう!」 そんな気のふれた母親と口論をしているうちに、 病院にサチの別れた父親がやって来た。 おせっかいな、いや世話焼きなご近所の奥さんが サチの家に救急車が停まったのを見て連絡したのだ。 医師と自分のかつての妻のやり取りをしばらく呆然と見ていたが はっと我に返った顔をするとおもむろに二人のそばへ歩み寄り サチの父親はパシッと平手で一発母親を殴り、黙らせた。 そして医師に向き直り 「息子をよろしくお願いします!」 と深々と頭を下げた。 -
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