全てフィクションです 【父との秘密】幸せの為に - 2002年10月13日(日)あたしは、今でもセックスが出来ないままでいる。 自ら体を投げ出したのは 中学生の頃、自棄になって適当な男に身を委ねて以来、だ。 集団カウンセリングで何度も他の人の意見を聞いたり カウンセラーの先生とも何度も話し合ったが、 それでもあたしはセックスの素晴らしさを理解する事は出来なかった。 彼とは定期的に会っているうちに真面目にお付き合いをする様になっていたが お互いにセックスの事を持ち出すことはしなかった。 あたしはセックスに関して汚い感情しか持ち合わせていなかったし 彼も性に関してはトラウマがある。 一時はこんな傷の舐め合いの様な付き合いはいけない、と思ったこともあったが 今ではそんな事を考える事も無い。 あたし達はお互いを愛し合っている。 セックスなんか無くても、彼はあたしを大事にしてくれる。 あたしも、彼を大切に思っている。 それでいい。 自分の血をひいた子供を持つ事は出来なかったが。 彼と付き合っている間にも、色々な出来事があったが 今ではなんとかそれも消化して生きている。 それらについては、また別の機会があったら。 あたしは、自分と同じように性的虐待を受けている子供や 両親から虐待を受けている子供達の事を調べ続けている。 世の中には、苦しんでいる子供がこれほどたくさんいたのか、と思うほどだ。 本を読んだり知り合いの紹介で会った児童相談所の方に話を聞いたりしていると この子達の力に、少しでもなりたいと強く願うようになっていた。 結婚してからは、ずっと続けていた会社を辞め ボランティアで子供の電話相談を受けている。 子供達の「人には言えない悩み」の相談を受ける仕事だが 好きな男の子と上手に話せない、などという可愛らしい悩みもあり、 父親がアル中で大暴れをしている、 なんとかして欲しい、という切実な物もあり、 そして、 娘に対する父親からの、息子に対する母親からの性の呪縛に 悩み続けている子供の多さにも驚かされた。 大人たちへの怒りを通り越して、物凄く悲しい気持ちになる。 あたしは微力だが、本当に微力だが こんな子供達のいつか来るはずの幸せを、切に願う。 一人でも、辛い思いをする子供がいなくなるように。 子供達の幸せな時間を、取り戻せるように。 -
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