全てフィクションです 【父との秘密】 - 2002年09月22日(日)あたしと母が言い争っている隙に父が部屋から這いずり出た。 あたしは横目でそれを確認していたが追いかける気にもならなかった。 「パパは、あんたにはずっと優しかったでしょ?」 そう。 父は暴力を振るう男だったが、あたしに手をあげたことは無かった。 つい、先程までは。 買って欲しいと思ったものは大抵ねだる事も無く買って来たし 机の中によくお金が入っている事もあった。 あたしはそれに特に疑問を感じた事は無かったけど、 今考えればそれはあたしに対する罪悪感か 口止め料としてだったのか あるいはあたしの体への報酬だったのかもしれない。 それが優しさかと問われれば 決してそうではないと、あたしは言い切れる。 あの優しさ(のフリ)には、裏があり、下心があったわけだ。 素直に喜べるような代物では決して無い。 そんな事も、母は分からないのか。 いやきっと、分かっていても気付かないふりをしていたいのかも知れない。 あたしがどうにかなる事よりも 自分の男がいなくなっては困るという事 男がいなくなって自分の生活がどうにかなる事の方が大事なのだ。 あの男にして、この女か。 母親はあたしを何の為に産み 父親はあたしを何の為に育てたんだろう。 あたしは自分の両親に何を望むことも出来なくなってしまった。 -
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