全てフィクションです 【父との秘密】意外な人 - 2002年08月19日(月)母が車を停めたそこは、家からそんなに遠くない場所にある 回転すし屋だった。 家族で食事に行くのに回転すしかと思う方もいるかもしれないが うちでは寿司と言えば回転寿司だ。 父が・・・寿司が好きで家族でよく行っていた。 嫌な事を思い出してしまった、と思った。 これから楽しい食事だっていうのに、あんな奴の事を思い出してしまった。 「やだやだ」 小さな声で言ったつもりだったが、弟に聞こえたらしく 「どうしたのさ!寿司だよ寿司!もちょっと楽しい顔しろよー」 とケラケラ笑われた。 ちょっと嫌な事思い出しちゃった〜 とあたしも笑って歩き出したが、店の前に人がいる。 弟とあたしは笑顔が凍りついた。 半分笑った顔のまま、目だけが一点を見ていた。 そこにいたのは・・・父だ。 なぜ、どうして、父がここに? とっさに母の方を見ると、母はあたしの顔を見ずに 「うん。待ち合わせしてたから」 とだけ言って、父の傍へ歩いて行った。 -
|
|