全てフィクションです 【父との秘密】久しぶりの外食 - 2002年08月18日(日)中卒で働く事は大変だと言われたが あたしはそれなりに楽しかった。 水商売で適当に稼いで適当に遊んでいた頃もそれなりに楽しかったが 普通に昼間に仕事をする生活が、なんだか自分がまともになった様で 周りの人間と何一つ変わらない自分に満足していた。 今までの自分は一体何だったのかと思うほど、「今」が充実していた。 就職をして1ヶ月くらいたった頃、 母が「みんなでご飯食べに行こう」と言い出した。 珍しい事だった。 弟が「どうしたの?なんかいい事あったの?」と母に質問を浴びせていた。 うちではあまり外食をする事は無かったからだ。 まして、あたしはまだ初任給も貰っていない時だったので 急な収入があったのか、特別な記念日でもあったのか、 様々な憶測で弟とクスクス笑い合った。 「家族で食事なんか久しぶりだね」 とあたしが言うと、母は 「うん・・・ちょっとね」 とだけ言って、車に乗り込んだ。 -
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