全てフィクションです 【父との秘密】記憶 - 2002年08月15日(木)その後数日、母からの連絡は無かったので あたしは何度か、またあのカウンセラーの元を訪れた。 父親に理不尽な性的虐待を受けている人が他にもいることを知った。 幼女に邪な行為をする事は立派な犯罪で、 あたしには何の責任も無い事、何も悪くない事 自分を責める必要の無い事を知った。 また、自分がいつ、初めてそういう事をされたのか覚えていない と話すと 「無理に思い出そうとする必要は無いのよ」 と言われた。 稀に、起きた事のショックが大きすぎて、 その部分だけ記憶が無くなる事があるらしい。 小学校中学年の時には犯されている記憶があるので それ以前から父は事に及んでいたのだろうが それが一体何の意味がある行為なのかを知らなかった頃なので 多分当時は「怖い思いをした」「痛い思いをした」 という事しか分からなかっただろう、と先生は言った。 自分の体の事だから、時期を把握しておきたい気持ちもあったが 思い出したくないほど怖い思いをしたのなら あたしも「無理に思い出す必要は無いな」と考えた。 ここに来るたびに気持ちは軽くなった。 自分の事を話し、自分を理解してくれる人がいるというだけで 心が救われる様だった。 段々落ち着きを取り戻して行ったが、まだ一つ心配事は残っている。 母が、どういう結論を出したのか 父とはどういう話し合いをしているのか、だ。 数日間、母からは全く連絡が取れないのでずっとヤキモキしていたが 10日以上たった頃、やっと電話が来た。 「別居する事になった。二人とも帰っておいで」 -
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