全てフィクションです 【父との秘密】会わせたい人ってだれだろう - 2002年08月03日(土)会わせたい人・・・? 誰だろう。 「僕のね、友達・・・って言うか、仲間かな」 「仲間?なんの?」 「まー言ったら分かるよ」 昨日のあたしの話を聞いて、誰かと会わせようとしているのか それとも単に友達を紹介したいのか 良く分からないまま、彼は「行こうか」と立ち上がった。 15分くらい歩いてバス停に出る。 そこからバスに乗り、あたし達はある停留所で降りた。 またしばらく歩いて、一軒の家の前で彼は立ち止まった。 「ここだよ」 あたしが少し躊躇していると、彼はあたしの手を引いて その家の門を開けた。 目の前には広い庭が広がり、その奥に大きな家が見える。 庭では木陰に椅子やテーブルもあり、 そこで何かを話し込んでいる誰かの姿もあった。 ・・・会わせたい人って、あの人かな。 そう思っていると、話し込んでいた女性の一人がこっちを向き 「あれ?彼女が出来たの?」 と微笑んで、あたし達に気付いたもう一人と一緒に 立ち上がってこちらに近づいてきた。 「それとも、お話しに来たのかな?」 「こんにちは。ゆっくりして行ってね」 代わる代わるに話しかけられたが あたしは戸惑って彼の後ろに隠れた。 そんなあたしを彼が首をひねって振り向いて言った。 「怖がらなくてもいいよ」 そして彼女たちの方に向き直り 「この子、たくさん悩んでいたのを僕が連れてきたんです。 一緒に話せたらと思って連れてきたんだけど・・・」 彼の言葉をそこまで聞いて、あたしは手を離した。 -
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