全てフィクションです 【父との秘密】僕のところに来るかい - 2002年08月01日(木)息も続かないくらい喋った。 途中からは涙のせいで鼻が詰まり呼吸困難になりそうになりながら それでも、事実とそれに付随する自分の想いを話した。 話が終わる頃には、息切れしていたほどに。 「なんて言葉を書けたらいいのか分からないよ」 彼は、あたしの話の最後にそう言った。 ・・・そうだろうな。 いきなりこんな話されても困る・・・ね。 受話器を少し耳から外して、上を向いて溜息をつく。 思い直して受話器を耳にあて、ごめんね、と謝った。 いや、話を聞いて困ってるわけじゃないんだよ 僕にも、似たような経験を持つ友達が、今大勢いるんだ それに、僕にも性に関する悩みがあってね だけど・・・ だけど、まさか君が、そんな辛い目に遭ってるとは思わなかったんだ あんなにいつも明るいいい子だったのに 君はそんな事とは無縁に生きていると思ってた 気付かなかった・・・ 僕で良ければ、君の力になりたい いつもよりも、力強い口調で彼は言った。 「明日、僕のところに来てみるかい」 彼に会おうと誘われるの初めてだ。 強い味方が出来たような気がして、 あたしは「うん」と 彼には見えないのに電話の前で頷いた。 -
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