...ねね

 

 全てフィクションです

【父との秘密】よれよれのあたしとズボン - 2002年07月26日(金)


「助けてくれて、ありがとう」

弟の部屋に入ってベッドに座り、まず弟に感謝を告げた。
今度はしっかりと弟の目を見て言った。

「いいって」
弟は照れて、少しだけ笑った。
「コーヒー入れてくるよ。待ってて」

待ってる間に、あたしは毛布を脱ぎ、畳んでわきに置いた。
部屋を出て行った弟がコーヒーを持って戻って来たが
あたしの姿を見てプッと吹き出した。

「やっぱその格好、変だなー」

上は自分のTシャツを着ていたが、
下はさっき弟が持ってきたパジャマのズボンだ。
急いで引っ張り出した為に状態を確認しなかったからなのか、
普段からこういう状態になっているのが普通なのか
弟の貸してくれたパジャマのズボンはしわくちゃだった。
しわしわのヨレヨレで、ブカブカのズボンを履いたあたしは
自分で自分の足元を見下ろして、やっぱりプッと吹き出してしまった。

きっと、今のあたしの顔も、ヨレヨレだろう。

「良かった。少しは落ち着いたかな。はいコーヒー」

コーヒーを受け取ってすすり、一息ついたあと
うっすらと白みかけた窓の外を見ながら
二人並んでベッドに腰掛け、
そしてあたしは、今までの事を弟に話した。



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