| 2008年02月15日(金) |
AS NATURE MADE HIM |
性同一性障害という言葉は、大分ポピュラーになったように思う。 身体的性と精神的性が異なるケースがあるということ。
今私が読んでいる"AS NATURE MADE HIM"は、 赤ちゃんの頃に性器に障害を負ったため 少女として育てられた少年をとりまくお話。
身体的にも精神的にも「男」であるのに、 精神科医の野望により性転換させられ、 「女」であることを強要された「少年」の葛藤。
赤ん坊の性はニュートラルで、 育て方によりどちらにでも誘導できる、 とするDr.Moneyの考え方は、 今見ると「何と乱暴な!」と思うけど。
フェミニズムムーブメントの後押しもあったりして、 流されちゃったんだろうなぁ。
このノンフィクションの作品は、 もちろん実験台にされてしまった少年の物語でもあるのだけれど、 持論に固執し権威をふりかざす科学者の物語でもある。
人間って、やっぱり怖い生き物だ。
Dr. Money の考え方には、もちろん反論もあった。
たとえばある実験では、 妊娠中の豚の子宮に大量のテストステロンを投与し、 クリトリスがペニスサイズまで肥大した女の子豚が生まれた。
そこで
The researchers then set out to learn if the masculinization of a treated female's anatomy was matched by a corresponding masculinization of her sexual behavior.
体が男性化したこの豚は、その行動までも男性化するのか? 研究者たちは観察を続け、
Not only did the treated females demonstrate an increased physical activity distinct from that of their untreated sisters, they also did not, in the presence of normal males, present their hindquarters for sexual penetration in the normal female in-heart posture known as lordosis.
であることを知るのである。
この文章がさー。 3回くらい読まないと意味がわからなかったのだ。
一番の要因は、distinctのニュアンスをうまくとらえてないってこと。 distinctはOracle(というかSQL)使いとしては、馴染み深い語なんだけどなぁ。 そして、後半のlordosisとかそういう単語に振り回された。 lordosisは脊柱前弯症のことらしいけど、そう言われてもわかんないよ。
結論としては、この豚は、他の雌豚とは異なる行動をとり、 雄豚の前で普通の雌豚がとる性的な恰好をしなかった=女の子らしくない。 ってことなんでしょう。
Money博士への反証として 「性差は母親の胎内で受けたホルモンによって規定される」 という説が提示されたまさにその頃、
Money博士の元に性器を失った少年の話が飛び込むわけで、 博士が性転換に固執して自分の理論を証明しようという野望にとりつかれるのも、 理解できなくはないのだけれど。
色々とタイミングも悪かったよなぁ、と思う。
性転換を決めた両親の悩みも大きかったろうし、 なんというか、不運としか言いようがない。
この少年(最初の名前はBruce。性転換後Brendaと呼ばれ、 最終的には男性に戻りDavidと名乗っている)が一卵性双生児だったのも悲劇だった。 もう、Moneyにとって、研究材料としてうってつけだったわけ。
どう見ても、MoneyはBrendaのためではなく自分のために 性転換を推し進めたのだから、批判されるのも仕方ないだろう。
ジェンダーフリーってのは、 本来ある身体的性差を無視するってことじゃなくて、 「身体的性に囚われず、役割やあり方を規制されない」 ってことだよね。
■AS NATURE MADE HIM の単語 pendulum 振り子、揺れ、すう勢、意見の定まらない人 zeitgeist 時代精神 ※いわずもがな、ドイツ語ですね。"intellectual zeitgeist" galvanized 《be 〜》刺激[ショック]を受けた、〔金属の表面が〕亜鉛めっきされた ※"galvanized by transsexualism" gonadal 性腺の ※"chromosomal, gonadal, hormonal..." repellent (大変)不快な、はねつける、虫よけ ※いや、ほんと、覚えられない。"repellent idea" gynecologist 婦人科医 ※遺伝子学者とかそういうのかと思った。 preemptive 先手を取る、先制攻撃の circumvent 迂回する、〜を巧みに逃れる concoct 〜をでっち上げる、企てる ※これもそろそろ覚えたい。 efficacy 有効性、効能 compunction 良心の呵責 ※"Money had no compunction" protege 〈フランス語〉被保護者、子分、弟子 estrus cycle 《動物》発情周期 gestation 妊娠(期間)、立案 ※"early stages of gestation" prenatal 出産前の androgen 《生化学》アンドロゲン、男性[雄性]ホルモン sinus 《生物》洞 ※"genital sinus" rudimentary 初歩の、基礎の tubercle こぶ、結節、粒状鱗 fallopian tube 卵管 uterus 子宮 ※あれ、wombとどう違うの? extrapolate 〔未知の事柄を既知の事柄から〕推定する ontogeny 《生物》個体発生(論) ※"Ontogeny of Human Sexual Behavior" audacious ふてぶてしい、不敵な ※"audacious challenge" utero 子宮の precaution 予防措置、用心 somatic 身体[肉体]の[に影響する] animus 敵意、憎悪、意図 ※"he bore John Money no personal animus at the time" rickety グラグラする、ガタガタの、壊れそうな glean 〔情報・落ち穂などを少しずつ〕集める、収集する ※"The crucial point they gleaned from Dr. Money was..." procrastinate 〔やるべきことを〕遅らせる、ぐずぐずと先延ばしにする phalloplasty 《医》陰茎形成(術) orchidectomy 精巣摘除術 seminal 影響力の大きい、種子の、精液の、発生の、生殖の seminal vesicle 《医》精嚢 catgut ガット、腸線 cord 《医》〔神経や腱などの〕索条組織 vessel 《解剖》血管 urethra 《医》尿道 labia majora 《医》大陰唇 eradicate 〜を全滅させる、絶滅させる congruous 適合する、一致する、調和する clamor やかましく叫ぶ、やかましく要求する ※"Brenda also clamored for a razor" albeit 〈主に文〉〜にもかかわらず、〜ではあるが ※"albeit by a scant twelve minutes"
本日の覚えたゾ! plight 誓い judicious 思慮深い transvestite 服装倒錯者
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