CYMA’S MURMUR

2006年04月18日(火)   砂漠

伊坂幸太郎の「砂漠」を読んでいる。
かなり面白い。

学生っていいな〜。
羨ましい。

大学生ってのは、やっぱりガキだね。
私だって当時は一丁前のつもりでいたけど、
すごく甘い世界で生きてたんだな。
それはそれでいいと思うケド。

何を生み出すわけでもなく、
ただ友人達と熱い(あるいは醒めた)会話を繰り返してたあの頃が懐かしい。
とても贅沢に時間をつかっていたね。
若さも浪費していたわけだ。




ちょうどこの春、一番年下の従弟が大学に進学した。
叔父が私の血縁なのだけれど、数年前にリストラされて収入は激減、
おまけに長年の夫婦不和に離婚という結論が出たばかり。
まぁ叔父は駄目男代表といった不甲斐なさなので自業自得ではあるけれど。

従弟はそのあおりをモロに受けている。
おまけにオツムが足りないものだから、
(私が思うに)大学の選択を間違った。

経済状況を考えれば、
「家から通える国公立」しかチョイスはないはずなのに、
最終的には「家から通えない私立大学」に進学することになった。

貧乏な父親と、意地を張っている母親のせめぎあいの中で、
彼は月に3万円しか仕送りをもらえないことになった。
家賃は別とは言え、光熱費や食費も全て込みなんてきつすぎる。

多分従弟はそこまで状況を認識していなかったに違いない。
甘い考えのまま地方の私大なんて受験したんだと思う。流されて。
地方私大の受験を許可した叔父も叔父だ。
出願先を決める前に、経済状況と見通しを従弟に説明してやるべきだった。

私にしても母にしても、
月に数万円程度の援助をしてあげることは容易いけれど、
でもそういう問題でもないだろう、と思う。

母は、お金はさすがにあげられないから、
時々図書カードやクオカードを送ってやることにするわ。
と言っていた。

ちなみに、うちの実家に下宿して東京の大学に通う、という可能性も、
一応母は自分の甥っ子に提示してあげていた。
「ちょっとは窮屈かもしれないけど、たった4年のことだし、
うちからなら、首都圏の大学はたいていどこでも通えるじゃない?」と。
でもそれは、叔母が必死で阻止したんだよね。
別れた夫の姉なんかに息子を預けたくないらしく。

うちの母は姪っ子甥っ子大好きなので、
かなり親切にすると思うし(少々鬱陶しいところはあるが)、
狭い部屋で月3万で暮らすよりよほど自由で楽しかったと思うけどな。

大変だよね。でも頑張れ。
若いんだから、乗り越えられるはず。
そうしてさっさと大人になって、経済的に自立して、
馬鹿な父親も母親も捨ててしまえばいい。
経済的自立ってのは、本当にいいよ〜!
体が資本だから自分が倒れたら一巻の終わりだけれど、
自分の責任範囲で自分の好きにできる自由はなにものにもかえがたい。

なんて、他人事のように私が言うのも失礼だろうし、
そんなことを彼に話す機会はないだろうけど。
次の法事が終われば、
私はもう叔父ファミリーとは一切接触を絶つつもりだから。

それにしてもなぁ。
やっぱ、馬鹿だよなぁ、叔父も従弟も。

私はそれなりに恵まれてたけど、
それでもあの頃の私は状況をもっとシビアに受け止めてたぞ。
「私大に行くなら地元のみ、家を出るなら東京近辺で国公立のみ」
という約束に縛られていたし。

駄目モトで「上智と早稲田受けていい?」って父親に聞いて
「ダメ」って即答された日のこと未だに覚えてるもんなぁ。
父の背中が語る拒絶、というようなビジュアル付きで。
「やっぱダメか・・・」程度でそれほどショックではなかったはずだけど、
国立なんてほぼ前期試験一本勝負だったから、
「落ちたらどうしよう?」という不安が始終頭を支配していた。
(妹に言わせるとあの時期の私は本当にピリピリしてて迷惑だったらしい)

今なら、「大学なんてどこ行ったって人生そんなに変わらないよ」
って言えるけど、高校生にはそんなことわからなかったし。

逆に「落ちたらどうしよう?」という不安と戦いながら、
とりあえず自分でできる限界まで勉強した、
という事実が私を形作っている部分もあるし、
今の「なんちゃって英語」の基礎はこの時期に築いたものだから、
やっぱり自分の資産になっているとは思うけど。

自分の経験を引き合いに出してまで若者に説教じみた話を
したくなるなんて、本当にトシとっちゃった。
ちょっと気を引き締めないと危険だなぁ。




春は、何かが始まりそうな季節で。
暖かさを含んだ風が激しく吹き荒れる度、心がざわめく。

群れを成してダラダラ歩く新1年生の集団に、
強い嫌悪感と妬ましさを覚える。
そして自分の年齢を自覚する。

確かに何かを手にしたと思い、
新しい状況に気持ちを高揚させたあの春はもう遠い。








■メルマガ単語
demigod
【名】 半神半人、神格化された人

amid
【前】 〜に囲まれて、〜の真ん中に、〜の真っ最中に、〜の真っただ中に、〜の渦中に
・ Amid the confusion, the thief escaped.
混乱の最中に、泥棒は逃げ出した。
【レベル】8、【発音】эmi'd

flunk
【名-1】 落第(すること)、単位を落とすこと
【名-2】 落第点[評価]
【他動-1】 (試験に)失敗する、落第する
・ He flunked the entrance exam, so he didn't go to university.
彼は入学試験に落ちたので大学に行かなかった。
【他動-2】 (生徒などを)不合格にさせる
・ I've decided to flunk a student in my class
私が教えているクラスの学生を一人不合格にすることにしました。
【発音】flΛ'ηk

straddle
【名-1】 またがること
【名-2】 《先物取引》ストラドル
◆異なる月の先物商品の売り買いを行うこと。同じ行使価格・行使期間満了日の原証券に対してコール・プットオプションを買う(ロングストラドル)・売る(ショートストラドル)手法。
◆【同】spread
◆【参考】expiration date(行使期間満了日) / underlying securities(原証券)
【名-3】 《軍事》夾叉
◆敵に砲弾を命中させるために、第一弾を敵の後方(離反)または前方(接近)に打ち込み、発射角を変えた第二弾をその反対に着弾させて、正確な発射角を得ること。ミサイルの技術が発達する以前で、特に海軍の戦闘で用いられた。
◆【参考】bracket
【自動-1】 両足でまたがる
【自動-2】 大股で歩く
【自動-3】 《軍事》夾叉する
【他動-1】 (両足で)〜をまたぐ
・ You must first learn to straddle the horse to ride it.
馬に乗るためには最初にまたぎ方を学ばなければならない。
【他動-2】 (〜の両側に)またいでいる、位置する
・ The city straddles the river.
その町はその川にまたがっている。
【他動-3】 (〜の両方に)味方する、日和見する
【他動-4】 《軍事》〜を夾叉する
【発音】strae'dl

tackle
【名-1】 タックル
【名-2】 器具、つり具、道具、用具、ろくろ
【名-3】 テークル、滑車(装置)
【名-4】 男性器
【自他動】 タックルする、果敢に取り組む、取り組む、立ち向かう、対応[対処]する
・ He decided to tackle the problem immediately.
彼はその問題に即座に取り組むことに決めた。
【レベル】6、【発音】tae'kl



"strength poverty"がすぐに理解できなかった。
耐震強度偽装問題の記事だって前後の文脈からわかっていたにも関わらず。
「強さ・・・貧乏」なんか変。なんて思ってしまった。
「強度不足」と置き換えられなかった。なんかトホホ。

前から、"p"で始まり"ty"で終わる単語がついつい混乱気味だったせいもある。
特に"poverty"と"posterity"と"prosperity"
自信を持って「貧乏」と断定できなかった。
繁栄じゃなくて、子孫は違うな・・・なんて一瞬考えてしまった。

でもまぁ、連日似たようなニュースを眺めていると、
"fraud" とか覚えるものは覚えるね。
911直後、仕事中にしょっちゅうニュースサイトをチェックしてた頃も、
テロ関係単語とか、炭疽菌とか覚えたもんなぁ。
と言いつつ炭疽菌が思い出せなくて辞書ひいちゃった。
"anthrax"そうそう。そうでした。






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