CYMA’S MURMUR

2004年10月05日(火)   モトカレ



祖母の訃報に動揺した私は、
またしてもモトカレに電話した。
事故の知らせを受けた日と、
お葬式も何もかも終わって帰ってきた日と、2回。

奴は私の駆け込み寺だ。
向こうがどう思ってるかわからないけど、
これはもう運命なので、引き受けていただくしかない。

真夜中に電話しても平気で
(たいてい起きているし、熟睡していれば電話くらいじゃ目覚めない)、
泣き喚いても平気で(そんな様子は今までに何度も見せているから)、
私の話を深刻に受け止めすぎることもなく、
たまには私の思いつかない視点から有意義なアドバイスをくれ、
「何か気分転換に面白い話してよ!」と無理矢理馬鹿話を強要できる相手なんて
そうそういるもんじゃない。

若い女の子を追い掛け回すのはやめたらしい。(正直ちょっとホッとした)
今はフリーで、仕事も暇で、私の長電話に付き合う余裕があるらしくラッキー。
相変わらず、親友K子ちゃん(また最近彼と別れたらしい)の
長電話にも付き合っているらしいが、
私も二番目のクライアントとして無料でカウンセリングしてくれるらしい。
ありがたいことに。

「死んだらどうなると思う?」と聞いてみた。
彼の死生観は、初めて聞いた。彼らしかった。
うーん、なるほど、そういう考え方もあり?

説法で、「暗闇の中、幅一尺の道を、49日間歩いていく」
という死後の世界の話を聞かされ、
そのイメージがどうにも怖くてたまらないのだ。
ただひとり歩き続ける。灯明の薄い光だけを頼りに。

私は特に霊的なものは信じないけれど、でも、何かの気配を感じることはある。
怖くて、怖くて、家の電気を消せなくなってしまった。
家中の電気と、テレビをつけっぱなしで眠っている。

モトカレは、今週末引っ越すらしい。
引越し先は近所だけれど、電話番号は変わるらしい。
もし、私が電話したときに、その番号が使われていなかったら、
私のショックはもう計り知れないものだったと思う。

  3ヶ月は、新しい番号がアナウンスされるし、
  第一携帯の番号は変わらないんだからショック受けることないじゃん。

と奴は言うけれど、そんなことはない。
私が電話をかけるのは、今までの実績的に、年に数回だ。
それも切羽つまったとき。
長電話を想定するので、携帯ではなく、固定電話にかける。
だから、そういうシチュエーションで、電話がつながらなかったら、
私はもう立ち直れないだろう。

  まぁ、今回はこうして引っ越すこと話したんだし、いいじゃん。

って、まあそれはそうだけどさ。
携帯の番号が変わるとか、引っ越すとか、そういう基本情報の変更だけは、
お願いだから絶対教えて、と再度お願いしておいた。
さくっと忘れられる可能性も高いのだろうけど。

べたべたと連絡を取り合うつもりはない。
でも、何かあったときには、いつでも連絡が取れる状態でいたい。
これって、ワガママかな?

別れて、辛くて辛くて、2年以上かけてなんとか乗り越えて、
ようやく彼のことをなんとも思わなくなったところだった。
自分で自分が不思議だった。
あんなにも激しかった感情が、一体どこへ消えたのか。

それでも。
私は彼のことを1人の人間として好きだし、尊敬もしている。
悪い面も知ってるけどね。
私が精神的にどうしようもなく落ち込んで彼に助けを求めるとき、
必ず電話は2コールか3コールで彼につながる。
それが、よりどころになっている。

こういうときに電話できる相手が、モトカレだけだなんて、
自分の人間関係もこれでいいのか・・・って思うけどさ。
なんかおかしくない?

そう彼に言ってみたけれど、別におかしくないでしょ、と言う返事だった。
そうかしら。
傍目には、まだ私が彼に未練があるとかそういう風に見えるのかな?
私はただ彼を利用しているのだけれど、
利用されたといって怒るような人じゃないし、
暇なときに私の話し相手をするくらいはどうってことなくて、
多分私をうっとおしく思ってもいないようだから、
特に誰に迷惑をかける関係でもないんだな。

もしかすると、10年後、20年後も、
彼は私の緊急避難所であるかもしれない。
それはそれで、そういう運命なんだろうなぁ。





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