CYMA’S MURMUR

2004年10月04日(月)   祖母



祖母とお別れをした。



雨の音が怖くなった。大きな雨粒が窓を叩く激しい音。
田舎の風景も怖くなった。
今まで自分を包み込んでくれるように感じていた山の木々が、
突如襲い掛かることがあるということを知ってしまった。
そして、ほんの数日で山景色がまるで何もなかったかのように
澄ました顔になることも。



祖母は、家族を深い愛情でくるみ込んでいた人だった。
最期の最期まで、弱いところを見せず、
逆に残される私達をとことん思い遣り、手助けしてくれた。



私の手元には、祖母から来た何十通もの手紙が残された。
従妹の携帯には、本当に何の気なしに撮影した動画があった。
土砂の中から奇跡的にアルバムが1冊発見された。
若かりし頃の祖母や、祖父母の結婚式の写真、そして幼い私と写る祖母。



今祖母は、先に亡くなった祖父と一緒にいるのだと思う。
それで、幸せだと思う。






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