| 2004年09月09日(木) |
子供の心理をわかってくれない |
二葉は二学期の始業式に行くことはできなかったが、最近保健室や研修室に登校している。毎日ではないが、二葉が「行く!」と決めた日にはなるべく連れて行くようにしている。
しかし、担任や保健室の先生はわかってくれない。「二葉は学校に行く」ということで精一杯なのだ。それなのに、担任は新しい教科書を持って来て(これはまだいい)、「みんなは今これをやっているのよ」とプリントを差出し、今度は上の方の教科書を持って来てね」と言った。それは二学期に入って一日目だった。やっと学校に行ったのに、いきなり勉強の話をしないでほしい。まずは行ったことを喜び誉めて欲しい。
二回目に行った時、保健室の先生は「お母さんとは離れた方がいいですね」と言い、「お母さんは研修室で待っていて下さい」と言った。30分も経たないうちに二葉が来て、「もう嫌だ!帰りたい!」と言って泣いた。話を聞いてみると、保健室の先生は「毎日絵だけ描いてるの?他の勉強もした方がいいんじゃない?教室に行ってみる?」といろんなことを二葉に問い掛けて来たらしい。二葉はその攻撃に耐えられなくなって、私のところに救いを求めて来た。
わかっていないな、と思った。
二葉を研修室に残し、私は保健室に行った。 保健の先生は、 「二葉ちゃんはトイレに行きました」 と言った。
「違うんです」 と事情を話した。
保健室の先生はとても自信を持って話をする。 やはり目標を持ってやっていかないとダメですよ、とか、 いつまでもお母さんと一緒では二葉ちゃんのためにもお母さんのためにもならない とか色んな事を言う。
私は反論した。 「あの子は今、学校に来るだけで精一杯なんです。それにまだ二日目です。 体が大きいので精神面も大人に見られがちです。確かに大人びたところはあります。でも、体は大きくても小学6年生だし、今赤ちゃんがえりをしています。そういう時は、そばにいてあげた方がいいと思います。そのうち自分で離れて行きますから。それも長い時間はかからないと思います。今突き放したら逆効果だと思います。」
「お母さんはこれから3年も4年も二葉ちゃんとくっついているつもりですか?」と先生。
「違います。ですから、今赤ちゃんがえりしているだけなんです。兄も不登校の時期があり、兄もそうでした。でもちゃんと今は自分の足で歩いています。
寄り添う時期、見守る時期、突き放す時期があると思うんです。今は寄り添う時期だと思います。」
先生との話は堂々巡りだった。これ以上話し合っても無駄なので、 「今日は帰ります」と言って、帰った。
唯一救いなのは、教頭先生が理解ある人であると言うこと。 私は家に帰り、さっそく教頭先生に電話した。今日の経緯を話し、先生方に理解してほしいことをお願いした。教頭先生は本当によくわかってくださり、1人でも理解者がいる心強さを感じた。
夜二葉と話し合った。「保健室の先生にあんなことを言われたからって、また行けなくなるのは悔しくない?明日も行ってみようか?」 二葉は行くと言った。そして仲のいい友達に、休み時間に遊びに来てくれるようにメールしていた。
しかし朝になると、「保健室には行きたくない」と泣いた。 私は無理はさせない方がいいと思い、行くのをやめた。
午後になり、二葉に、 「研修室ならどうかな?」と言うと、 「研修室なら行く!」と言う。 今まで朝行かなかった時は午後も夕方も行くとは言わなかったので、大きな進歩だ。私はまた教頭先生に電話し、本人が「保健室に行くのが嫌だと言っている」 ことを告げ、研修室なり、他の部屋を借りられないかと聞いた。教頭先生はすぐに研修室のスケジュールを調べて下さり、今日は空いていますのでいつでもどうぞ」 と言って下さった。
二葉はそれを聞いて安心し、学校に行く準備を始めた。先生は勉強の遅れを気にする。でも、遅れはいつでも取り戻せる。問題なのは心なのだ。先生にいつまでもお絵かきしているの?と言われるのも嫌だろうからと、「勉強してるフリでもしようか?」と漢字ドリルを持たせた。まあ、こんな親である。
教頭先生に挨拶して、研修室に入ろうとすると保健の先生が飛んで来た。 「今日は、ここ初任者研修で使うのよ。保健室に行きましょう」 鬼の首を取ったように言う。
「教頭先生に電話をして、空いているから使っていいということだったんですけど」と言うと、「そうなの?」と怪訝そうな顔をした。 それから研修室に入って来て、
「二葉ちゃん、約束してちょうだい。これから帰る時はちゃんと帰ると言ってから 帰ってね」と強い口調で言った。
二葉は、小さな声で「ハイ」と言ってうなづいた。
保健の先生が出て行った途端、泣き始めた。二葉の気持ちが痛いほどわかった。 昨日のことを言われたのだ。昨日の二葉の心理状態で「帰ります」とは言えなかったのだ。「帰りたい」と私に訴えに来たのだ。
なぜわかってくれないのだろう。不登校の子供の心理を。もっと勉強してもらいたい。
二葉は、「保健室には絶対に行かない!」と言った。 私は職員室に行き、教頭先生に「少しお時間をいただけないでしょうか?」と言って、話す機会を設けてもらった。
色々話をした。子供の言うことを何もかも聞くのがいいことだとは思わない。それでも、保健室に行きなさいと言ったら、二葉は学校に行かなくなるだろう。階段を一段ずつ上るようにステップを踏んで行かせたいと私は自分の考えを述べた。
教頭先生には、 「保健の先生にも考えがあるんでしょうけど、お母さんのやりかたでいいと思いますよ。とにかく今は二葉ちゃんの気持ちが一番です。二葉ちゃんの気持ちを大事にしながら、少しずつ、友達と関わったりして世界を広げていければそれでいいんじゃないでしょうか」と言われた。
そして、 「何かあったら、私が窓口になりますから、なんでも言って下さい」 と言って下さった。そして、二葉が学校に行きたいと言った日は教頭先生に電話して、研修室が空いているかを確認してから登校するという形を取る事になった。
今日は、昼休みに友達が4人来てくれて、楽しそうだった。 外にいる友達にも手を振ったら、そばまで来てくれて、 「ふーちゃん、今日来たんだぁ〜。じゃあ、バイバ〜イ」と手を振ってくれた。 やっぱり友達っていいなぁと思ったら、涙が出そうになった。
それでもまだまだ理解されない不登校の子供の心。 学校に行きたくないのではない。行きたくても行けないのだ。
一番仲のいい子と一緒に帰りたいというので、「歩いて帰ってね」と言うと、 「え〜〜っ」とふくれた。しょうがないなぁと思い、「毎日はしないからね」と今日は車で送ることにした。二葉の友達が来るまで、シートを倒して少し眠った。気付いたら、友達が来ていた。今日、研修室に来てくれた友達が4人車を取り囲み「ふたばちゃ〜ん」と声をかけてくれた。全くお母さんを知らないのに車でみんなを送るのも誤解されると思い、同じマンションのBちゃん(二葉が一緒に帰りたいと言った子)だけを乗せて帰ることにした。
クラスの他の友達も手を振ってくれた。 B子ちゃん曰く、
「雅子さま気分だわ!」
ニコニコしながら二人でみんなに手を振っていた。
↑寂しいのでなんか書いてください。
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