2007年09月08日(土) |
「カンバセーションズ」 |
2005年アメリカ 監督 ハンス・カノーサ キャスト ヘレナ・ボナム=カーター アーロン・エッカート ノラ・ザヘットナー エリック・アイデム
ウェディングパーティの席上に、喜びのムードに似合わない・・退屈そうな女性がひとり。やっとタバコに火をつける場所を見つけた彼女に一人の男性が声をかける。 初対面のような会話を交わす二人・・けれでも彼らには一緒に過ごした日々があった・・
10年ぶりの再会・・二人は現在38歳。 映画って見る年齢、立場によって全然感想が違うと思うけど、この作品は特にそうだと思う。 これはねぇ・・やっぱり別れた恋人をひとり(以上でもいいけど 笑)は持ってる・・そういうお年頃の方たちにはたまらないよね。そして私も一応ひとりは持ってる(ということにしておこう〜)いい歳の女性なので。 なんだか彼らの言葉の端々にいろんな思いが感じられたわ〜。
「デュエル・フレーム」って言うらしいんですけど、画面を分割して見せる・・という面白い試みの映画です。 二人のそれぞれの側から映して見せたり、現在と過去を並べてみたり、中にはこっちが現実でこっちは願望?っていうシーンもあったり。 いろんな風に想像できたり、あ、こっちはこんな風に思ってるんだな・・って感じたり、面白かったんですけど・・でもずーーーっと分割されてる・・っていうのもキツイものはありますよね。これだと吹き替えの方が見やすかったかも。 (あ、あとで教えていただいたんですけど、普通映像に切替ができる特典があったそうなんですよ〜、そっちでも見てみたかったわ)
ホテルの一緒の部屋に行ってしまうと・・もう、戻れなくなる。 エレベーターの前で躊躇する彼女。 とにかく、今は彼女と二人きりになりたい・・彼。 ついにエレベーターに乗り込んだ二人の間に、男の今の恋人の友人が乗りこんでくるあのシーン。あれは・・ぴりぴり・・と流れる電流がありましたね(女性って・・。差別するわけじゃないけど、男の友人ならきっと言わないと思うなぁ 苦笑)
ホテルの部屋での二人の会話は、きれいごとじゃないというか・・とてもリアルで・・思わず唸ってしまいました。 「肌の感じが違う・・」とか〜。
「どうして(パーティに)来た?」と何度も彼女に問い掛ける彼。 まだ過去に戻れると信じていたいけど・・自分からじゃない・・彼女の口からそれが聞きたい・・「男はずるいロマンチスト」
今、現在があってこそ・・それは揺るがないけど・・でも過去の時間も捨てられない。「女は罪なリアリスト」 このコピーは、なかなか深いですよね〜。
アーロン・エッカートもヘレナ・ボナム=カーターもとても良かったですね。 表情も、しぐさも・・そして、お互いそんなにバッチリ鍛えられたナイスバディじゃないところも(笑) 過去の二人・・彼女の可愛さ。彼は・・ふふ・・長髪でしたよね(笑)
彼女がシャワーを浴びている間に、彼が告白する言葉。面と向かってじゃないんですよね・・ここもまた。でも言わずにいられない・・やっぱりずるいロマンチスト。 そして聞こえないふり・・をする彼女。でもあんな言葉を聞いて嬉しくないはず・・ないですよね。かって愛した・・今ももちろん気持ちが残っている・・人から。やっぱり罪なリアリスト。
最後のタクシーのシーンは、2分割がとっても上手く生かされた・・ニクいシーンです。 過ぎ去った時間と、これからの時間・・・。 二人の表情にいろんな思いが見えて。
「しあわせになるのは難しい」 ほろ苦い思いも噛み締めながら、でも甘さも優しさもちゃんと感じられる。そんな大人な映画でした。
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