| 2007年08月20日(月) |
「僕の大事なコレクション」 |
2005年アメリカ 監督 リーヴ・シュレイバー キャスト イライジャ・ウッド ユージン・ハッツ ポリス・レスキン ラリッサ・ローレ
ユダヤ系アメリか人青年ジョナサンのコレクションはすごい。 すごい・・といっても価値があるものとか、高価なものとかいうのじゃなくって、とにかく家族の思い出に関するありとあらゆるもの、入れ歯から、硬貨から、装身具はては・・あんなもの(ビックリ!!)まで〜!! ジップロックの袋に入って壁一面ピンで留められたコレクションの前に立つ、ケント・デリカット並みの分暑〜いメガネをかけたイライジャの姿は、なかなかに強烈な印象だ。 ある日、祖父の昔の写真を目にしたジョナサンは、60年前祖父の命を救ってくれた写真の中の女性オーガスティンを探しにウクライナへと旅立つことを決心する。
ウクライナでジョナサンを迎えたのは、ツアーガイドのアレックス。 ユーモラスで人好きのするこの青年と、なぜか目が見えないと主張する・・彼の祖父。そして犬嫌いのジョナサンを困惑させるおかしな名前のワンちゃん! 三人と一匹の道中は、かみ合っているようで、いないような会話から始まり・・なんだか不思議な可笑しさを見せながらウクライナの美しい風景を進んでゆく。
牛乳ビンの底みたいなメガネにスーツとネクタイのジョナサン。 派手な洋服に金の飾り。いかにも若くて明るいお兄ちゃん!!のアレックス。 ジョナサンのオタクっぽい(っていうとオタクの人に失礼?汗)人見知りぶりと屈託の無いアレックスの雄弁ぶりがなんだかいい味なんですよね。無口でなんだかわけありげな・・おじいちゃんも気になりながら。
だけど、そんなちょっと可笑しな旅の雰囲気が、祖父の思い出の村だったという(ナチスに侵略され消滅した)場所へと辿り着いたとき、だんだんとドキドキするような、ミステリーっぽい雰囲気に変わっていくんですね。 思い出の小箱の蓋が・・少しづつ、少しづつ・・開かれてゆく・・ ひとり生き残った老女が、コレクションした思い出の箱の数々・・ここにも逝ってしまった人々を、その思い出を忘れないように・・しまっておく人がいて。
楽しい思いでも、悲しい傷痕も、すべてその人の思い出なら、しまっておかなくてはいけないから。忘れないように、決して忘れてしまわないように・・ アレックスの祖父の最後に取ったあの行動はビックリしましたけど・・彼なりに運命を感じとったのでしょうか。
最後に別れてゆくジョナサンとアレックスの顔には、お互いのつながりを感じあった・・そんな気持ちが感じられました。 悲しい過去を希望に変えていける・・そんな優しい気持ちが感じられる嬉しいラストでした。
ウクライナの村の、ひまわりの花畑がとっても印象的でした。
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