2002年フランス 監督 レティシア・マッソン キャスト イザベル・アジャーニ サミー・フレイ サミー・ナセリ オーロール・クレマン カトリーヌ・ムシェ マリア・シュナイダー
海辺の街に降り立った一人の女。 黒い傘、黒いドレス、黒いサンダル。仕事を探しながらも、偽名を語る、なにやら訳あり・・げなその女性と、彼女を見つめる哀しい瞳の男。
フランス映画ですわ〜〜。 謎めいた女性と、眉間に悲しみを刻んだ男。 ふたりの出会いも、その進展も、そしてラストも・・アンニュイというか、何がどうだと・・・いうのか(苦笑)理解に苦しみつつも・・やけに印象に残る映画でしたよ。 ほとんど黒の衣装で通すアジャーニ。彼女の白い肌に黒ってとても似合う。 美しい瞳、相変わらず綺麗だわ・・そしてやっぱり不幸そうなんですよね(苦笑) 口角が下がってるせい?今回思ったけど。哀しそうな、不満そうな・・口元がね・・笑ってないんですよね、いつも。
妻を亡くした一人の紳士、こちらもなんともいえないわ、サミー・フレイ。額に目に・・物悲しさが漂ってね。 そんな二人が、引き合ったと思ったら、離れて。離れたと思ったら・・また歩み寄って。 他にも彼女の周りには引き寄せられたように男性が登場するんですけど、そんな男性たちとも微妙な間隔だったり。 ええ・・もう波のようにね、自由でありたいといいながら、どこかひきづってるような女と、誰かを求めていながらもまだ過去から出て来れないような男が・・漂うんですよ。
そして踊ります、ええ、こんなに踊るアジャーニを見れるとは。 冒頭、海辺の街でひとり群衆の中、踊る彼女はすごいですよ!!びっくりするくらい、迫力あります。 他にもいろいろな場面で踊るシーンが出て来るんですが、それがどれも印象的でした。 逃亡する二人が、ホテルの部屋で踊るシーンも忘れられませんね。男はスーツを脱いで、そして女は黒のドレスじゃない、ブルーの服で。 初めて・・これまでのものを捨てて、お互いにこころが触れあって・・そんなダンスでした。 アジャーニが黒のドレス以外の色を着るのは、このシーンと、男と出会ったばかりの時、パーティ用に赤いドレスを着るのと2つのシーンだけなんですけど・・赤いドレスの時はすれ違った二人の心がここではピッタリ寄り添うようで。
砂漠をさまよう女と男が追うシーンでは「マノン・レスコー」を思い出したり。
寄り添うダンス、このままなんとか終わって欲しい・・そんな淡い期待をみごとにちゃんと裏切ってくれる、切ないラスト。 うう、やっぱり・・フランス映画って・・。でもそういうところにまた魅せられちゃう、惹かれちゃう・・お年頃(?)なのでした(笑)
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