| 2007年03月11日(日) |
「サイレント・ランニング」 |
1972年アメリカ 監督 ダグラス・トランブル キャスト ブルース・ダーン クリフ・ポッツ ロン・リフリン ジェッセ・ヴィント
遊びに行ってる映画の管理人さんから教えてもらったSF作品なんです。息子と二人、古いSFが大好きなので早速借りてきました。(嬉しいことにDVDが出てます)
地球上の植物が絶滅した20世紀末、遠い宇宙空間に停泊する宇宙輸送船のドームの中で「植物を育て森を作る」緑化計画が進められていました。 しかし、ある日突然理由も知らされずに緑化計画は中止となり、ドームには破壊命令が出されます。 乗組員はみな帰還命令に喜びますが、ただひとりヴァレー・フォージ号の乗組員ローウェルだけは納得できません。8年ものあいだ、植物や動物に心を砕き、森を愛しえてきた彼は怒りのあまり命令にそむいてしまうのでした・・・
冒頭の森のシーン、鮮やかな花たち、動物達の姿・・まさかそこが宇宙の、ドームの中の世界とは・・思いがけない世界でした。 そしてまるで修道僧のような衣装をつけた主人公、とても優しくて穏やか〜に登場したのですけど。 これがまあ!!ビックリでしたね、森や植物たちを愛するあまり・・あそこまでしてしまうとは。どうにか他の方法は無かったのか・・他の乗組員が理解してくれないからとはいえ・・・。 それからの行いや言動も、なんともう〜〜ん・・とうなってしまうような(苦笑) ここまで好感度の低い主人公も珍しい・・・かも。
突込みどころもかなりあります。 8年も研究してきて、植物達が元気をなくした理由が・・あれだとは・・(汗)おいおい〜〜!!(苦笑) でももしかしたらあれだけではなかったのでは?などと勘ぐってもみましたよ。逃亡したあと一人(とロボットたち)で孤独に暮らしてきた主人公の様子を見ていたらなんだかこれまでみたいに森を愛する情熱が薄れてきているのでは?って思ってしまいました。
そんな主人公に対して・・この映画で私達の愛情を一心に受けるのはなんといっても3体のドローン(四角い、背の低いロボット・・をここではこう呼んでいます)でしょう。 一生懸命に船の修理をしたり、勝手な主人公にいろいろ命令されても頑張るドローンたちのけなげさ!! 主人公が3体につけた名前が「ヒューイ・デューイ・ルーイ」。でもドナルドを困らせるあの3人の甥っ子アヒルとは違って彼らはとっても働き者なんですよ〜。 ロボットなのにペタペタと歩く姿もなんとも愛らしい(もしかしてあの歩き方がアヒルっぽいってことで・・あの名前?笑)背中には「1」とか「2」とか背番号もついてたり。 そんな彼らが事故にあった仲間の残った足を悲しげに見つめる姿・・切ないです。
しかし・・そんな主人公ですけど・・でもやっぱり宇宙で一人残される(たとえ自分で選んだことでも)孤独感っていうのはものすごい大きなものがあったと思います。ドローンたちにポーカーを教えてみたり、他の乗組員との思い出に浸ったり・・。でもやっぱり最後まで・・勝手・・でしたね(泣)
すっかりドローンたちのファンになってしまった私ですが、この作品に流れる、独特のムード・・これも好きです。詩情がある・・っていうんでしょうか。 特にラストシーンの美しさ、悲しさ・・・ (このラストシーンはちょっとラピュタを思い出させます)
そして胸を締め付けるのは・・あの如雨露の愛らしい柄。 なんとも泣けます・・
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