| 2006年11月01日(水) |
「ハノーバー・ストリート」 |
1979年アメリカ 監督 ピーター・ハイアムズ キャスト ハリソン・フォード レスリー・アン・ダウン クリストファー・プラマー アレック・マッコーウェン リチャード・メイサー
懐かしい、何十年も昔に観た作品です。 「珈琲」という随筆集の中で映画評論家の小藤田さんが、お茶のシーンのある映画として紹介してくださっていたのを読んで、今回再見しましたよ。 そうだったんだねぇーー、結構いろいろあったお茶のシーン、たぶん昔観た時は二人の熱〜いラブシーンに当てられて覚えてなかったのかもしれません。
そのくらい、二人の燃え上がりぶりは、情熱的でしたね。はじまって10分でキスとは!!こんなに早くに燃え上がる愛・・って実はあまり好きではないのですが(苦笑)。運命の出会いですから!ね。しかし、この出会いはおちゃめ・・と呼ぶべき・それとも・・美人の品ある人妻が列を飛ばしてバスに乗ろうとする・・っていうのもどうかと思うけど・・ ま、そういうのは置いといて、ハロラン中尉を演じるハリソン・フォード!!若いです!!あの少年っぽさを残したような横顔、襟を素敵に立てた軍服姿、いいですね〜。 マーガレットは、レスリー・アン・ダウン。好きな女優さんだったんですよ、「ラフ・カット」なんてすごく綺麗でしたよね。でもこんなにメイクが濃かったとは・・ 彼女の夫は、クリストファー・プラマー。知的で優しそうで。 可愛い子どももいるし。 なのにどうして、彼女がハロラン中尉を愛さずにはいられなかったのか・・それは たぶん彼女自身にも説明できないものじゃなかったのでしょうか・・ 戦争で死んでゆく若者たちを日々看取る彼女の心の不安?明日はどうなるか・・分からない・・そんな彼女の前に、あまりにもまっすぐで、強い意志を持った瞳の青年が現れたら・・ 思わず引き込まれていったのかもしれません。そのくらい、この映画のハロラン中尉は情熱的でしたね。
彼女を愛することで、今まで感じたことがなかった死への恐れ・・を覚えたハロランが、エンジン音に不安を覚え、飛び立つのを止めるシーンも印象的でした。
後半はそんなハロランと、(何かを感じ取った)マーガレットの夫、ポールとの出会い。なんだかすごくアクションものになってましたね。ドイツ軍の中を逃げる二人。 橋のシーンで「彼女に伝えてくれ」と言うポールに「自分で言え」というハロラン。 そしてあの、ラストシーンです。 「紅茶を飲む時、思い出してくれ」この別れの言葉が、またニクイんですが。 最後のあの指・・もね。 そういえば、この映画、二人の指のシーンも印象的な映画でしたよ。
最初にお茶を飲んだあとでまた会いたいというハロランに辛そうな顔のマーガレット。手袋が外れた指に光る結婚指輪。 逢瀬を重ねる二人。ラブシーンのあと、シーツの上でしっかりと握られた指。 そして最後の、この離れがたい・・でも離れてゆく・・指。 手フェチだからからなぁ・・(笑)指のシーンとか、結構気になるんですよね。
運命的に出会った二人・・戦時中という背景がなかったら、もしかしたら結ばれていた二人かもしれません。 でも結ばれない・・二人に、それほどにも悲壮感や切なさを覚えなかったのは、ポールとハロラン中尉の男同士の友情や、あとなにより、ハロラン中尉の、というより、ハリソン・フォードの持っている雰囲気のせいかなあ・・とも思います。ドロドロした恋愛にならない・・どちらかというと直情的な雰囲気・・じゃないでしょうか。
いろいろ出てきたお茶のシーン。 Tea&Cinemaに挙げてます。
ジョン・バリーの音楽、素敵でしたよ。
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