瞳's Cinema Diary
好きなスターや好みのジャンルにやたら甘い、普通の主婦の映画日記。
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2006年09月10日(日) 「ラ・ジュテ」

1962年フランス 監督 クリス・マルケル
キャスト エレーヌ・シャトラン ジャック・ルドー ダフォ・アニシ

突然の大雨でビデオショップから出られない・・いつも以上にうろうろしてたら、こんなの見つけちゃいました!!う〜ん、嬉しい出会い!!

全編静止画で構成された不思議な映画。あの「12モンキーズ」(見てないのですが)の原案になったというSF映画。29分という短さですが、最初から最後まで目が離すことが出来ませんでしたよ。
お気に入りに挙げましたので、良かったらそちらも見てくださいまし。

ある男の、少年の日の思い出から映画は始まります。日曜日のオルリー空港。
まるで白黒のアルバムの写真をめくっているかのような、そんなどこか懐かしさを覚えるような映像なんですね。
そこで見た、一人の女性の悲しい表情が少年の心の中に刻まれます。

やがて第三次世界大戦が起こり、世界は崩壊。放射能に犯された地上に住むことが出来ず、人々は地下へ。勝利者たちは、そこで捕虜を使って、ある実験を始めるのですが。
この、タイムマシン(?)的な実験・・がよく分からないのですが、やたら怖い。これは静止画だからかなあ・・なんか不気味なんですよね。
そこで実験の対象になったのが、あの少年(と言ってももう大人になっているのですが)なんですね。
過去への旅、男はあの、忘れられない女性と再会します。
悲しい表情しか知らなかった、その女性の見せる様々な表情。
語ったり、笑ったり、そして目覚める時の!(この目覚めのシーンは、よ〜〜く、よ〜く見てくださいね!)

次はどんなことが起るんだろう、動かない画像って、なんだかドキドキしますよね。そしてひとつひとつのシーンにいろんな想像が膨らんでいきます。
二人は、どんなことを喋っているんだろう・・とか、あ、今笑ってるけど、なんでだろう・・とか。悲しい顔しか知らなかった彼女の、なんて魅力的なことか・・男じゃないけど、見ている私たちも魅せられてしまうんですよね。

過去への旅に成功した男は、次に未来の世界へも送られます。
ここの映像は、ちょっと可笑しいんですけど。顔だけだし、未来人。でもこの映画にとって、男にとって未来はさほど重要ではないんですよね。男は過去へ戻りたい。でも・・それは許されないことで。
迎えるラストシーン。少し予感はありましたが・・・・。

全編静止画の中で、1シーン、しかも一瞬だけ、画が動きます。
これは、どこか言わない方がいいのかなあ。
でも分からなかった(私も1度目は分かりませんでしたよ)どこか知りたい・・って方のために、一番下に書いておきますね。
ニクイシーンですよ!!

結局3度も観てしまいました、この映画。短いってこともあるのでしょうが、なにか、あきないんですよね。静止画がもともと好きなせいもあるのかもしれませんが。(あ、でもあとで知ったのですが、この静止画、わざわざ動画をこういう風に処理したものだそうですよ!)

飛行場の送迎台を意味するという「ラ・ジュテ」このタイトルもいいですよね。「12モンキーズ」も今度見てみよう。










一瞬の動画シーンは。
あの女性が、目覚めるシーン、映し出される彼女の顔。
彼女が一瞬まばたきをするんです。(まさにあなたは、まばたきをせずに見てね 笑)
彼にとって過去が一番大切になる瞬間。静かに世界が目覚める瞬間。



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