2006年アメリカ 監督 ポール・ハギス キャスト サンドラ・ブロック ドン・チードル マット・ディロン ジェニファー・エスポジート ウィリアム・フィクトナー ブレンダン・フレイザー テレンス・ハワード クリス・“ルダクリス”・ブリッジス タンディ・ニュートン ライアン・フィリップ ラレンズ・テイト ノーナ・ゲイ マイケル・ペーニャ ロレッタ・ディヴァイン ショーン・トーブ ビヴァリー・トッド いかにもアメリカって思っちゃう群像劇でしたね。さまざまな人種が入り乱れる中で、次々と起こるクラッシュ(衝突)。火花が散るようなクラッシュもあれば、静かに繰り広げるクラッシュもあって。そんな衝突が、次々に波紋を呼んでまた新しいクラッシュを作ってゆく・・
黒人だから、白人だから・・〇〇系だから・・人種的なそういう根っこってあるんでしょうか、日本人の私にはぴんと来ないものがあるんだけど。まあ・・でもそういう人種的なものも少しはあるとしても、・・その人の環境、考え、地位、さまざまなものが人の中にはあるわけで。 たとえば、マット・ディロン演じるライアン巡査。その差別的ででっち上げ的な取り調べ(しかもセクハラ!)に猛然と腹が立っていたんだけど、事故のシーンで必死に女性を救い出す彼の姿には思わず涙がでそうなほど感動したり。 彼の取調べで妻との間に溝が生まれたTV局のプロデューサー(テレンス・ハワード)が、次の警官との遭遇では思わず切れてしまったり。 そんなプロデューサーをなんとか無事に治めたハンセン巡査(ライアン・フィリップ)が最後には・・なんとも痛ましいことを・・・ この人は良い人、この人は悪人・・と。そんな風にはならないわけ・・ですね。どんな人の中にも良い面と悪い面があって。状況や、まわりや、巡り合わせでそれがどういう風に表れるのか・・ クラッシュ・・・してみたいと分からない・・というわけでしょうか。 黒人刑事のグラハム(ドン・チードル)、彼の苦悩もなんとも言えませんでした。母親からの静かな責め苦。有る意味、一番辛いクラッシュかもしれません。 ブレンダン・フレーザーとサンドラ・ブロックの夫婦、こちらは結構期待してたけど、一番気持ちが入り込めないエピソードだったかもしれません。 そしてなんと言っても「透明マント」ですね。これには、もうーー。泣けました。もちろん少女と父親にもなんですけど、銃をむけた雑貨店経営者ファハドとその娘にも。思わず「神様〜」ってつぶやきましたよ。
群像劇としても見事な繋がりでした。 なんとかいいほうに向かった人、どうなっちゃうの〜って思う人。映画が終わっても彼らの人生はこれからも続いてゆく・・彼らのこれからの人生をいろいろと思ってしまいました。 ハンセン刑事・・彼の今後がとても気になります。
「アカデミー賞作品賞」受賞作品。地味ですが、見応えある作品でしたね。 俳優さんたちの充実ぶりも良かったです。
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