| 2006年05月17日(水) |
「メゾン・ド・ヒミコ」 |
2005年日本 監督 犬童一心 キャスト オダギリ・ジョー 柴崎コウ 田中泯 歌澤寅右衛門
借金を抱えてお昼は会社の事務員、夜はコンビニでバイト、の毎日を送る沙織の前に素敵な男が現れる。 彼の名前は岸本晴彦。幼い沙織と母を捨てたゲイの父親の恋人だと言う。 晴彦は沙織に父親の経営するゲイのための老人ホームを手伝わないかと言うのだが・・・
どうもね・・・最近邦画って言うと、柴崎さんの顔を見るようでどうだかなあって思っていたのですが。良かったです。 ノーメイク?に見えるメイク?キツイ口調ではっきりとものを言う、沙織っていうキャラ、合ってましたね。 合ってるといえば・・・オダギリ君。いいですねぇ〜〜。彼目当てにこの映画を見た私ですが(笑)素敵でした。 どこか遠くを見ているかのような眼差しは、死にゆく恋人のせい?淡々とした態度の影に、でも悲しさや寂しさが見えて。彼が沙織に求めたものは何だったのかなあ・・ 淡い色の服がまたね!似合ってましたよ〜〜。 ベージュのパンツ姿に見とれてしまった・・・(笑) 沙織の父親役の田中さんは、なんとも派手ではっきりとした服装(こちらはこちらで、こういう感じのが似合ってますよね、とても印象的でした)がでしたからこれが対照的で。
ゲイの父親と娘の再会・・それだけじゃない、いろいろなものがこの映画には詰まってましたね。 老いてゆく・・という事。 世間のキツイ風から逃れるため?のゲイのための老人ホーム。肩寄せ合って仲良く暮らしていても、やっぱりいろんな限界があって。最後には家族に引き取られてゆくルビーの姿が・・・ 沙織の母親と父親の関係も。沙織が思っていた以上の感情が元夫婦にはあったんですよね。 詰め込みすぎかな・・とも思うのですが、生きているといろいろありますよね、いろんな人がいて様々な事情があるわけですから。そういういろんな面を淡々と見せる・・っていうのが私は好きなんですよ。 たとえば、あのバー?クラブだか・・に行くシーンとか。あそこなんてちょっと浮いちゃってるシーンですよね、他と違って。沙織と晴彦さんのにこやかに踊るシーンが可愛すぎて(笑) でもあそこで老人ホームのゲイの人が、元部下に会ってひどくやじられるところがありましたよね。あそこで晴彦さんがば〜んとその部下をやっちゃうのか・・と思うとそうはしない。 むしろ怒る沙織をなだめてる彼のなんともいえない・・諦めのような表情が印象的で。たぶんこんなことって日常茶飯事なんだろうなあっていう。そういうものを思わせるシーンで、私にはとても印象に残ったのでした。
沙織が死んでゆく父親だから・・って素直に和解したりしないところも良かったと思いました。むしろ・・死ぬからって全部が許せるわけじゃないっていう意地のようなものと、でも・・っていう気持ちがちらちら見えるところがいいですね。
彼らのこれからはぜんぜん予想できないけれど、そういうのもいいかな。人生何が起こるか分からないし・・ね。
|