瞳's Cinema Diary
好きなスターや好みのジャンルにやたら甘い、普通の主婦の映画日記。
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2006年04月20日(木) 「ブロークバックマウンテン」

2005年アメリカ 監督アン・リー
キャスト ヒース・レジャー ジェイク・ギレンホール ミシェル・ウィリアムズ アン・ハサウエイ


見終わっていろいろ思うことがあるけれど、今すごく浮かぶのは、あのブロークバックマウンテンの空に浮かぶ雲。
イニスとジャックが一緒に過ごした、唯一の彼らだけの時間。その後、一度も訪れることの無かったその場所の夏の日々。
山の向こうに広がる空って、なんていうか平地に広がる空とはまた違うんですよね、1日1日、少しづつ違っている、スクリーンに広がるあの空は、とても印象に残りました、こういうのはやっぱり映像の持つもの・・なんでしょうね。

印象的・・といえば、二人の出会いのシーンも好きです。雇い主が戻ってくるまでずっと待っている二人。イニスはすごく辛抱強く、無言でずっと待っているのですよね。ジャックは、髭剃ったり、イニスの方を見たりして。なんだかここって二人の生き方・・まではいかないかもしれないけれど、持っている資質・・みたいなものが現れているようでいいシーンだと思います。
少しづつ・・親しくなっていくあのあたりもいいですよね。イニスがやっと喋るようになって。

世界に彼らだけしかいない・・山を下りて、別々の道を行く二人。やがて4年後に再会するときまで、彼らはお互いの存在がそれほど大きいとは自覚していなかったのかもしれないけれど。
でもあの再会は熱かったですよね・・原作を先に読んで奥さんに目撃されることを知っていたものだから・・思わず、ダメダメ・・そんなとこで・・って突っ込みたくなりましたが。しかし、奥さんにしたらね・・それはもう驚きなわけですよね。そんなこと今まで疑ってもなかったのだから。
釣り道具のことも・・なんていうか・・奥さんのあのメッセージは切ないよね。
イニスは、一緒に牧場をやろうというジャックの提案を受け入れることも出来なかったけれど、奥さんとの生活も守れなかったわけで。でもなんだかそれも彼の性格や幼いころのあの強烈な体験(父親に見せられた)からすると無理もないことなのかしら・・まさか自分がそうなるとは・夢にも思ってなかったわけだから。
どうして彼でなくてはいけないのか・・説明することなんて出来ないでしょうね、きっと。そして、お互いにお互いを求めているんだけれど・・ストレートに気持ちを出すジャックとなんでもしまいこむイニスでは、また少し違いがあって。
イニスの奥さん役のミシェルも良かったのですけど、ジャックの奥さん役のアン・ハサウェイ!ウエスタンな服がとっても似合う彼女は、私「プリティ・プリンセス」の時はそんなに好きじゃなかったのだけれど、今回とても存在感あったと思うのですよ。

原作を読んだとき、絶対映画でも泣いちゃうだろうなあって思っていたシーン。
イニスがジャックの部屋であるものを見つけるシーンですね・・あそこはやっぱりぐぐっときたのですが。
そこ以上に涙が出てきたのは、それをもって降りてきた彼にジャックの母親が見せる表情ですね。二人の間に無言で交わされる・・あの視線に・・・なんだかほろほろきちゃいました。母親はわかっていたんでしょうね、きっと。
あ、そうそうその前にイニスがジャックの部屋の窓から外を見渡していて、そしてあのクローゼットにひきつけられるシーン、あそこも好きです。

ジャックのお父さん・・は、原作ほどキツイ感じでは描かれてなかったですよね。
ジャックが幼い時に受けた体験も描かれていませんでしたから、イニスが確信した衝撃的な「ある考え」も映画では語られていませんでしたし。
なので、原作よりも優しいラストでしたよね。イニスの娘さんの話も入っていましたしね。


立っているジャックをイニスが後ろから抱きしめるシーン。
原作でジャックが語っていた、忘れられない思い出である・・このシーン、あるかしら・・って楽しみにしていたのですよ。
ありましたね・・・
でも夜のシーンではなかったですけどね。
離れ離れの辛い人生の中の、ウソ偽りのない、魔法のような幸福な時間。
二人の表情が忘れられないなあ。


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