2004年ドイツ 監督アヒム・フォン・ボリエス キャスト ダニエル・ブリュール アウグスト・ディール アンナ・マリア・ミューエ トゥーレ・リントハート
ドイツ、ギムナジウム、美しい青年たち・・といえば・・どうしても萩尾元望都さんの「トーマの心臓」などを思い出してしまいますが・・1927年実際に起きた事件(「シューテクリッツ校の悲劇」と呼ばれているそうですが)を元に作られた映画だそうです。
若さって・・若さって・・。 「真の幸せは一生に一度しかない、後はその瞬間の思い出に罰せられて生きてゆくんだ。それはなら僕らは一番美しい瞬間にこの世を去るべきだと思わないか?」 愛をもはや感じなくなった瞬間に命を終わらせること。そしてその時には、愛を奪ったものを道連れにすること。 ワインを飲まなくても酔える・・若さをこう表現したのはゲーテでしたっけ。
誰かを想って詩を書いたり、振り向いてもらえない苦しさに悩んだり・・そういえば・・私にもそういう時はありました・・詩のノートとか持ってたし。 そういう若い時にこんな映画見たらきっとね、涙出るんじゃないかしらね。
湖畔の別荘、美しいヒルデ。音楽とアブサン(アブサン、初めて見ましたよ、萩尾さんの漫画によく出てきましたよね、なんでしょうかね・・ワインとかじゃないとろこがまたね・・なんとも退廃的で)に酔いしれて。 それなのにね・・もうしっかりと根の張ったような・・私には、彼らのこの美しい時間に酔えない自分がいましたわ(涙) 心配しなくてもまた他に好きな人は出来るよ・・とか、人生の美しい時って決して一度だけじゃないから・・とかね。 感情移入があまり出来なかった理由はもちろん私が、もうそんな繊細な思いを忘れかけているっていうこともあるんだけれど・ええ〜っと・・・キャストが・・顔が好みじゃなかったって言ったら・・申し訳ないですが(汗) ダニエル・ブリュール君、「ラヴェンダーの咲く庭で」良かったですよね。でもでも・・この映画では結構顔が丸っぽく見えたりして・・私としてはもっと細面の繊細な方にやってもらえたら・・と。あとギュンター役のアウグストさん。ヘルムート・バーガーの再来と言われているそうですが・・う〜ん、う〜ん。私はポール・ベタニーに似てるなあって(誤解されるといけませんので書いておかなきゃ。私はポールは大好きです!)けだるげなムードは良かったと思うのですが・・まだまだ退廃さが・・ね。 そして一番納得いかないのは、ヒルデとギュンター、二人に愛されるハンス!すみません・・彼のどこがいいのか・・魅力を感じないのよ〜〜。
映画の雰囲気とかはね・・とても良かったと思います。 そしてヒルデ役のアンナ・マリア・ミューエ。残酷さと無邪気さと・・少女と女性と。憎らしいけど、魅力的でした。 それにしても・・みんな色白いです(笑)
青い棘・・この邦題はなかなかいいですよね。 原題は、なんていうのか知らないのですが。 棘の痛みは、甘美な、けれでも癒えない痛み。 人生最高の時を思い出しながらも・・それを抱えて生きてゆくのも・・そんなに悪いことじゃないよ・・ね!ね!
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