2005年アメリカ・フランス 監督トニー・スコット キャスト キーラ・ナイトレイ ミッキー・ローク ルーシー・リュー エドガーラミレス クリストファー・ウォーケン ジャクリーン・ビセット
だんな様がこれを借りてきた時・・え?これ見るん?と思わず言ったほど。かなり酷評を目にしていましたから期待感がなかったのが良かったのかな。 私には、それほど酷い作品には思えなかったです。
ハリウッドスターを父に持ち、モデルとして活躍しながらもセレブ的な生活に満足できず、飛び込んだ世界はなんとバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)。 実在の女性ドミノ・ハーヴェイをモデルにしたこの映画、きっと監督は彼女の魅力にはまった一人なのでしょうね。 ただ残念なことにこの映画の中では、彼女の持っていた(と思う)カリスマ性や魅力(だって、こういう世界で生きてゆくにはそれだけのものが必要だと思う)が生かせきってないように思う。 もちろんキーラちゃんは頑張っていると思う。短い髪、濃い化粧、キツイ口調に大胆なポーズ(おまけに下着ダンスや、ヌードだって見せちゃう・・という!)。だけれども、なんていうか、ドミノ自身の魅力っていったいなんだろうって聞かれると・・これが・・ね、なんだろうか・・と。 むしろ、彼女の仲間たちの方が魅力を放っていた。ミッキー・ロークの演じるボス、彼は今回、どちらかと言うと癖を抑えた渋い演技でそれが貫禄を感じさせる。 そして仲間でありドミノに心を寄せるチョコ!エドガーラミレスって何に出てましたっけ?彼すごく印象的でした。何かというとスペイン語で話し、キレてるんだけど、でも彼女を見る目がね・・ドキッとするんですよね。何か行動を起こす時には、結んでる髪をほどくんですよ!普通は邪魔になりそうなんですけどね・・でもまるで彼自身を解き放つように。それがとても印象的でした。 でも彼とドミノのラブシーンは、私はなかった方が良かったと思ったな。あのモーテル?のようなところで、慰めようと訪れた彼(でもまた上手くいえないでスペイン語でしゃべってしまう)に向かってドミノはケンカ口調で追い返しちゃう。 あのままの状態で・・でも最後は・・っていう方が良かったんじゃないかな。チョコには気の毒だけど。 あと別の意味で一番注目の人だった・・アラブ人の彼・・彼もまた印象的でしたからね。
ジャクリーン・ビセット(つい先日「オリエント急行殺人事件」で若く輝く彼女を見たばかりだった)やクリストファー・ウォーケン、ルーシー・リューと脇を固める方々も、みな個性的で良かったのですね。 回想の形で進められるストーリーは、前半はとてもテンポよく進んでいったと思うのですが、後半にダレてしまったのが残念でした。 そしてあの独特の映像・・あれはきっと監督さんのこだわり・・なんだろうなあ・・と思いつつも・・う〜ん、微妙だったような。
ドミノの行動や言動に共感することが出来なくて。そもそもやっぱりセレブの気まぐれや甘えのように思えてしまうから。 でも、愛する父親を無くし、買ってもらった思い出の金魚も死んで、人やものに特別な感情を抱くことをやめにして、突っ走ってきた少女が、結局そういう(捨てようとした)感情を捨てることは出来なかったっていう、その最後がね、私は気に入ってます。仲間への気持ちや、母親に最後にかける言葉(あまりに唐突ですが・・)に表された・・
あ、あとね、驚いたのは「ビバリーヒルズ白書」の二人!役柄のまま、そのままの登場でしたから驚きましたね。しかも、人質にされてますから。
実在のドミノは、この映画が完成する前に、自宅で謎の死を遂げたそうです。 DVDの特典映像で、彼女の姿を見ることができます。 細くて、独特の雰囲気のある人でした。
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