| 2006年02月20日(月) |
「去年マリエンバードで」 |
1960年フランス 監督アラン・レネ キャスト デルフィーヌ・セイリグ ジョルジュ・アルベルタッツイ サッシャ・ピトエフ
ブログに載せた恩田陸さんの「夏の名残りの薔薇」のモチーフであり、作中に登場する人物が繰り返しホテルで観ていた・・という映画「去年マリエンバードで」 「夏の名残り〜」を読んで以来、絶対観たいと思っていた映画でした・・いや、しかし、手ごわかった〜(汗)
どこかのサイトで観始めてから5分以内に眠らなかったら1万円あげる・・みたいなことを読んでええ〜!って驚いていましたけど。 さすがに5分では大丈夫でした・・いや、でも途中、何度こくこく・・とし、また巻き戻し、でも巻き戻してもまた同じ映像の繰り返しのようで・・訳がわからなくなり・・そしてまた睡魔に襲われ・・と。観終わった時には、心底ほっとしてしまいましたよ・・
まず、カメラがゆっくりと「豪華なバロック調のホテル」を案内するかのように導きます。その間、繰り返し繰り返し、同じナレーションが流れてゆきます。ゆっくりと、静かに。繰り返し、繰り返し・・その白いホテルの天井を見つめながら・・いつまでこうしているんだろう・・・。しかも音楽がまた何かちょっと不安感を感じるような。 待ちにまって人々が登場・・ でもこの人々がまた・・好き勝手にいろいろと話していて・・んん?っと思っていると、2人の男女が。 おおっ、これがきっとあの恩田さんの本にも書かれていた・・と思いつつ観ていたのですが。 二人の会話・・これがまた。「憶えていません」「去年のこと・・」と繰り返され・・ なんだろうか、まるで夢の世界。眠って見る夢じゃなく、起きてみる夢の世界・・の中に紛れ込んだような。 だんだんと二人の記憶の話も、今も昔も。どれが本当のことで、どれが想像の世界なのか・・。
「記憶にない話を男から聞くうちに、やがて、現実も想像も枠を越えて、男の記憶の世界を作り上げてゆく・・女。」 恋愛的にはこれはもうなんだかすごい次元じゃないですかね?ある意味、最高に危険で、セクシーな。なのに、映像はホテルに置かれた彫像のように冷たく、堅く・・・白くて。
観終わった時には、正直とっても疲れたのですが・・・・ なぜか今思い返すと、また観たいような。そんな不思議な魅力を秘めた映画。 白い、硬質な光を秘めた映像。視点が定まらない・・定めない・・のかな。いや、視点がそもそもどこにあるのか・・これほど美しいけれど、不思議な映像は今まで見たことないかも・・・ 今度は昼間に観てみようか・・まさに白日夢のような気分になれるかも。
そしてこの映画を観てまた「夏の名残りの薔薇」を読み返したくなってきた。
しかし、この映画、ぜひ他の方の感想も聞きたい映画だなあ・・・
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