2004年フランス 監督 ジャン=ポール・サロメ キャスト ロマン・デゥリス クリスティン・スコット・トーマス エヴァ・グリーン パスカル・グレゴリー
ルパン生誕100周年だそうです。 私がルパンを初めて読んだのは中学生の時かな。カーやクイーンやと一緒にいわば初めて出会ったミステリーもの。以来図書室にあるルパンシリーズはほとんど全部読みましたが、なにせかれこれもう30年近く前ですからねえ。
タイトルバックから豪華なジュエリーが登場して、期待感溢れます。
ロマン・デゥリス(「スパニッシュ・アパートメント」の彼ですね!)のルパンは私のイメージよりはちょっと細め、小柄な感じがしました。時々モンキーフェイスに見えちゃう小顔は、どちらかというとアニメの「ルパン3世」を思い出しちゃうのですけど(笑)だって、豪華客船上で逃げる姿、あの走り方は、あれは「不二子ちゃ〜ん」のルパンでしょう〜(爆)まさか、監督さん、知らないですよね!? でも小顔でスリムな彼には、シルクハットにあの衣装、とっても似合ってました。もみあげも(笑)帽子や衣装も(赤と黒のあのボーダー!!可愛いけど微妙に可笑しい)いろいろ見れてね。変装は1度だけでしたけど。 ルパンが女性達の首や、手からジュエリーをするするっと盗んでゆく、鮮やかな盗みのシーン、楽しいです。
ストーリーは、シリーズ中の「奇巌城」(あのお宝の隠し場所、うわ、「奇巌城」だわ!って叫びそうになりました)「813の謎」「魔女とルパン」を取り混ぜたからでしょうか、2時間ちょっとは、少し長い感じもしましたけどたっぷり親子3代まで見せましたね。 ルパンをめぐる二人の女性、カリオストロ伯爵夫人とクラリス、そして謎の人物ボーマニャン。ルパンシリーズには、美しい女性は必要不可欠!そしてやはりなんといってもシリーズ中女性キャラではこの二人を登場させないことにはね!謎めく、艶と影のある伯爵夫人は大人の黒のイメージ、一途なクラリスは白のイメージ・・の衣装や、ジュエリーを身にまとって。まるでほら、バレエでいうと、黒鳥と白鳥のようでしたよね。それにしてもドレスも宝石も見事!ため息もの!あの扇も!! クラリス役のエヴァ・グリーンは「キングダム」とは全然違う役柄で、でも彼女が演じるとやっぱり原作のクラリスよりもしっかと強い女性になってました。目に力がある女優さんですよね。
お話は、かなり突っ込みどころもありましたが(下に突っ込ませていただきましたので)でもこの映画の持っている雰囲気が私は好きだなあ。 なにより、フランスで作ってくれたことがね!やっぱりルパンにはフランス語でしゃべって欲しい。 そしてただただ爽快な怪盗もの・・っていう風に描かれていない、原作を読んで感じていた、ルパンシリーズの中の影の部分が出ていたところが良かったって思いました。 原作のルパン、もちろん粋でお洒落で、颯爽とした怪盗紳士ですけど、結構捕まったり、「奇巌城」では高校生探偵さんにやられたり、完璧じゃないのですよね。 そしてどんな女性に心惹かれても彼の心の中に影を落とす悲しみが生まれた瞬間も描かれていましたから。
アクション部分、スマートな格闘技(?)を見せてくれましたね。でも得意な「柔術」が出なかったのが残念だな、見たかった。
さてさて、で、突っ込ませていただこう〜っと。 ちょっとねたばれ・・ぽいところもありますから、まだ見ていない方はやめといてくださいね。
その一 ボーマニャンの謎、分かり易すぎ(苦笑)あ、あとボーマニャンの心のうち、今ひとつ分かりませんでしたね。 その二 伯爵夫人を葬るのに、何故に海で?悠長すぎ!ま、ルパンが助けないとお話が進みませんから・・ね。魔女だと普通は火あぶり・・ってひどすぎだね(汗) その三 十字架の秘密の見つけ方!あれでいいの〜(笑)いや、あれ笑うところかしら?。 その四 クラリスが居場所を知ってるんですから、彼女に使いなんて出させている場合じゃないのでは?さっさとそこに行って十字架を奪えばいいのでは? その五 そして十字架引渡し、なぜにカフェで?可愛らしすぎでは?待ち合わせ場所。古城とか、もっと辺鄙なところとか。そして爆破はやりすぎでは・・・テロリストみたいですよ、あれじゃあ。あ、でも最後も彼女やりかけてましたから。
まだあったかも。思い出せないけど。
でも突っ込みどころのある映画、好きなんですよ、ほんと(笑)
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