瞳's Cinema Diary
好きなスターや好みのジャンルにやたら甘い、普通の主婦の映画日記。
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2005年10月01日(土) 「読書する女」

1988年フランス 監督ミシェル・ドヴィル
キャスト ミュウ=ミュウ マリア・カザレス クリスチャン・リュッシュ
マリア・デ・メディロス マリアンヌ・ドニクール パトリック・シュネ

ベッドで夫に本を読んであげるコンスタンス。
手にした本「読書する女」に登場するのは、美しい声の持ち主マリー。友人の勧めで“物語を朗読する仕事”を始めた彼女に仕事を依頼してきた人々は・

大勢の前でじゃなくって、ひとりの人と向かい合って、物語を読む。
そこには、かなり個人的な空間が生まれるのかなあ。
美しい声は罪?なのかしら(笑)
彼女の声が身障者の男の子や、妻と別れた社長さんにおよぼす、官能の世界。彼女はプロとして徹底しようと思うんだけど、1対1でね、向かい合って、ひとつの物語を共有していると・・どういうのかな、突き放せないつながり・・みたいなものが生まれてくるのかしら。

ほかにも右翼寄りの老婦人や、ひとりで留守番する女の子。
それぞれに彼女が読み上げる本がね、どういうの選ぶんだろう?って興味深くて。思わずメモしてしまったわ。

彼女みたいに、キュートでお洒落な女性が、なんとも美しい声でドキッとするお話を読むと、それはもう、読んでもらう方には、違う気持ちが生まれてきちゃうよね。男の子もかなり大胆なこと言ってましたけど(ビックリ)社長さんも可笑しかった。なんだか憎めなくって。ザブトンみたいな、クッションから、変な形のイスが登場。ベッドの中から、最後は、彼女のおしりに本を乗せたりしてましたもん(目のやり場に困りました〜、でもなんとも乗せ心地の良さそうな感じでしたけど〜笑)
なんとも必死な彼に比べると、あの判事さんたちはね〜、なんですかね、やり方が嫌ですねぇーー。

映像もお洒落な映画でした。彼女が歩く、あの街角はグレイがかったオフホワイト。
老婦人は、赤いカーネーションにショール。赤のイメージ。
男の子の部屋はグリーン。誕生日会のキッチンや、ケーキも可愛い。
そしてマリーはブルーの帽子が印象的。眼鏡も似合ってましたね。公園のベンチに寝そべって本を読む姿も、キュートでしたね。
雨の日のレインコートや、裾をあげるワンピース。ファッションもいろいろで楽しいし。
ミュウ・ミュウって、少年っぽいのに、母性本能も持ってるような、不思議な魅力をもった人ですねえ。

彼女が読んだおはなし、全部じゃないけどこんなのでした。
モーパッサン「手」
ボードレール「悪の華」
マルクスは題メモできなかった。
トルストイ「戦争と平和」
キャロル「不思議の国のアリス」
デュラス「愛人」
知ってるのも多くて、嬉しかったな。

その人に、どんな本を読んであげるか、それを選ぶのって、大変な選択のような・・気がします。

原作が残念ながら絶版らしいのですが、嬉しいことに図書館で見つけたのですよ!!読んだらブログに載せようと思っています。




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