1988年フランス 監督ミシェル・ドヴィル キャスト ミュウ=ミュウ マリア・カザレス クリスチャン・リュッシュ マリア・デ・メディロス マリアンヌ・ドニクール パトリック・シュネ
ベッドで夫に本を読んであげるコンスタンス。 手にした本「読書する女」に登場するのは、美しい声の持ち主マリー。友人の勧めで“物語を朗読する仕事”を始めた彼女に仕事を依頼してきた人々は・
大勢の前でじゃなくって、ひとりの人と向かい合って、物語を読む。 そこには、かなり個人的な空間が生まれるのかなあ。 美しい声は罪?なのかしら(笑) 彼女の声が身障者の男の子や、妻と別れた社長さんにおよぼす、官能の世界。彼女はプロとして徹底しようと思うんだけど、1対1でね、向かい合って、ひとつの物語を共有していると・・どういうのかな、突き放せないつながり・・みたいなものが生まれてくるのかしら。
ほかにも右翼寄りの老婦人や、ひとりで留守番する女の子。 それぞれに彼女が読み上げる本がね、どういうの選ぶんだろう?って興味深くて。思わずメモしてしまったわ。
彼女みたいに、キュートでお洒落な女性が、なんとも美しい声でドキッとするお話を読むと、それはもう、読んでもらう方には、違う気持ちが生まれてきちゃうよね。男の子もかなり大胆なこと言ってましたけど(ビックリ)社長さんも可笑しかった。なんだか憎めなくって。ザブトンみたいな、クッションから、変な形のイスが登場。ベッドの中から、最後は、彼女のおしりに本を乗せたりしてましたもん(目のやり場に困りました〜、でもなんとも乗せ心地の良さそうな感じでしたけど〜笑) なんとも必死な彼に比べると、あの判事さんたちはね〜、なんですかね、やり方が嫌ですねぇーー。
映像もお洒落な映画でした。彼女が歩く、あの街角はグレイがかったオフホワイト。 老婦人は、赤いカーネーションにショール。赤のイメージ。 男の子の部屋はグリーン。誕生日会のキッチンや、ケーキも可愛い。 そしてマリーはブルーの帽子が印象的。眼鏡も似合ってましたね。公園のベンチに寝そべって本を読む姿も、キュートでしたね。 雨の日のレインコートや、裾をあげるワンピース。ファッションもいろいろで楽しいし。 ミュウ・ミュウって、少年っぽいのに、母性本能も持ってるような、不思議な魅力をもった人ですねえ。
彼女が読んだおはなし、全部じゃないけどこんなのでした。 モーパッサン「手」 ボードレール「悪の華」 マルクスは題メモできなかった。 トルストイ「戦争と平和」 キャロル「不思議の国のアリス」 デュラス「愛人」 知ってるのも多くて、嬉しかったな。
その人に、どんな本を読んであげるか、それを選ぶのって、大変な選択のような・・気がします。
原作が残念ながら絶版らしいのですが、嬉しいことに図書館で見つけたのですよ!!読んだらブログに載せようと思っています。
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