| 2005年05月06日(金) |
「エイプリルの七面鳥」 |
『初めての料理は、ママのためにつくる最後のディナー。 大キライだったママとの思い出を切り刻み、いろんな人に助けられて焼きあがった七面鳥のおなかには、言えなかった「ありがとう」がつまってた』
これね、この映画のキャッチコピーなのですけど、もうこれだけで伝わってくるものがあると思いません?いいなぁ・・このコピー。この映画への愛情が感じられる素敵なコピーだわ。
家族と上手くいかなくて一人家を出て恋人(この恋人がまた優しいのですよ〜)と暮らすエイプリル。 料理なんてしたことない彼女が、感謝祭の料理を作って家族を招こうと決めたのは、もう余命いくばくもない母親と仲直りのチャンスが欲しくって。
でもお料理は上手くいかない。ポテトを切る様子なんて、もう叩き切ってるって感じだし。オーブンは壊れてしまって貸してくれる人を探してアパート中をかけずりまわるし。 このアパートの住人さんたちがまた、とても個性的でね。 最初は(オーブンを貸して)っていうことも上手くいえないエイプリルが、いろんな人と話していくうちにだんだん素直になってくる様子とか。
招かれた家族たちの胸中もなかなか複雑なものがあるようなのです。 ドライブの途中のいろんな会話や姿からエイプリルとのことや、家族の間の思いなんかも見えてきて。 神経質そうで、不安定な様子の母親役の女優さん、うまいですよねぇ〜。 きっとエイプリルとの間にも、いろんな期待や、思いが行き違って、お互いに距離が出来てしまったのでしょうね。 でもあのトイレで見た女の子の姿に、心の奥深くにしまわれていたエイプリルの幼い頃の姿とか、思い出とかが、ふわっと浮かんできたんでしょうね。これはね、なんかすごく分かる気がしましたよ。
ラストシーン、みんなで(いろんな人も一緒に)感謝祭のテーブルにつく姿があったかいね。セリフや説明のない、このシーンが好き。抱き合ったり笑顔が見えたり。
誰かのためにお料理をする。 それってすごくシンプルな愛情表現だけど、その過程や味付けで、ひとりひとり愛情のレシピも違ってきちゃう。 愛情表現もお料理も不慣れなエイプリルの七面鳥。でも、まわりの人々に助けられて、いろんなスパイスが加わった七面鳥は、きっといい味になってたんじゃないかしら。
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