| 2005年04月05日(火) |
「オールド・ボーイ」 |
2003年韓国 監督 パク・チャヌク キャスト チェ・ミンシク ユ・ジテ カン・ヘジョン チ・デハン キム・ビョンオク
すごく、すごく、痛い映画だった。 肉体的にも精神的にも。
ごくごく普通の男がある日突然監禁される・・・15年ものあいだ。 そしてまた突然の解放。復讐を誓う男の前に現れた謎めいた青年は男に5日間で監禁の理由を解き明かすことを命じるのだけれど・・・
ある日、どんな理由でか、まったく分からないまま15年ものあいだ監禁されたら・・・もう考えたくないですよね。「いつまで待てばいい」「いつになったら出してくれる」「それだけ教えてくれ」そう叫び続けるオ・デス。 冒頭の普通のおじさん(ちょっぴり太めな)・オ・デスが、監禁されているあいだにどんどん痩せて、研ぎ澄まされていって、ワイルドでセクシーになっていって。 突然解放された彼のそれからの行動に目が離せない。 若くて、愛らしいミドとの出会い・・・でもそれすらも、無情な青年の罠だと知った時。
私はあまりにも凄まじいシーンの数々に圧倒されちゃって、ミドとのこととか、(箱のシーンが出てくるまで)思いつきませんでしたから。逆にそれが良かったのかも。カナヅチひとつ持って、大勢の敵と渡り合う・・いや、無理ですって・・って思いながらも。あのオ・デスの鬼気迫る顔見てたら。なんかもう、それもありえる・・って思えるほど。すごい迫力でしたね。監禁の理由が解き明かされていくのも気になるのだけれど、それ以上にオ・デスの行動から目が離せないのですよね。
謎の青年を演じるのはユ・ジテ。細面で繊細で、でも無機質なムードがオ・デスをより際立たせてました。 あのラストのダムのシーンは・・切なかったな。監禁については、どうしたって許せることではないし、青年の復讐は間違ってることだと思うのだけれど。
でも、間違った思いや、ゆがんだ愛だけが、その人を生きてゆかせる力になったのだろうねえ・・・悲しいけど。だから全てが終わった後「これからどうやって生きていけばいい」と聞いた彼の言葉は、すごく響いたわ。
ユ・ジテの取った行動も、相手のことを思うなら何故?とか思ってしまったけど。 とにかく、どんなことをしても。どんな風になっても。 醜くても、ゆがんでいても。生きたいんだ!!っていう強い思いが感じられました。
好きとは言えないこの映画・・・だって痛いもの。痛すぎるシーンが多いもの。あのラブシーンも、なんだかとっても痛々しくって全然綺麗じゃないんだけれど。
なのに、だからこそ、どのシーンもとっても強烈な印象で。う〜〜ん、なんだか当分忘れられそうにないわね。
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