2003年アメリカ 監督 エドワード・ズウィック キャスト トム・クルーズ ティモシー・スポール ビリー・コノリー トニー・ゴールドウィン 渡辺謙 真田広之 小雪 中村七之助 管田俊 福本清三 原田眞人 小山田シン
明治維新の日本。近代化の波の中で、捨て去られようとする最後の“サムライ”たち。アメリカで政府に反乱を起こしたインディアンを討伐し、女性や子どもまでも殺戮したことで悪夢に悩むオールグレン。 自身の誇りまでも失いかけた彼に日本で与えられた仕事は、反乱士族を討伐することだった・・・
前半のこのオールグレンの悩み、アメリカで夢を失った彼の失望。(彼が)討伐したインディアンと日本のサムライの姿が重なってゆくところなんてとても上手いと思う。最後のサムライ、勝元とオールグレンの出会い、そしてしだいに芽生えてゆく友情に無理を感じないのはこういう背景があってのことだと思う。 勝元とオールグレンの会話がいい。(ただ・・こんなに英語が堪能なサムライがいるかなあってことは思うけど。謙さん、英語上手いですね!) 捕らえられて過ごした村の冬、そして春の情景が美しくて。日本の国ってこんなに美しかったんだ・・ってしみじみと思いました。 村のサムライたちも良かったですね。勝元を演じる謙さんの素晴らしさに圧倒され、オールグレンに厳しくあたる氏尾(真田さん)まっすぐな眼差しと若さが潔い信忠(小山田くん)も良かったし。 そして何より私はオールグレンのあとをいつも黙ってついて歩く老サムライ(福本さん)、彼がいいなあって思って。 その静かな存在感がとても気になって、彼の名前を知りたさに今回パンフを買ってしまったくらい。福本清三さん、16歳で京都の撮影所で仕事を始めて以来、44年間通算2万回以上も斬られ役を演じてきたという方。立ち振る舞いから、着物姿までまさにもうサムライそのもの。パンフに写る福本さんのショットが美しいのですよ〜。
散ってゆくサクラのように、戦場で死に向かうサムライたち。戦闘シーンはやっぱり悲しいわ。ただ、最後討伐兵たちが、サムライたちに礼をするシーンは・・・あそこまでしなくてもいいかなって思ったな。ラストはちょっと出来すぎって感じでした。勝元の心を伝えたいって気持ちは分かったけど。
かって長い間、日本の国を支えてきたサムライの時代。そんな時代があったことをもう忘れかけているけれど。激動の時代、変化してゆく時代には、去ってゆくものもあるのだけれど。 忘れてはいけないもの、大切にしていきたいもの・・そういうものがあるんだなぁ、・・そんなことを思い出させてくれた映画でした。 日本の国をこんなに美しく描いてくれたトム・クルーズとズウィック監督に感謝したい。
ええ〜っと、ちょっとおまけ。 最後の戦闘シーンに参加するオールグレンの鎧姿をチェックする(真田さん演じる)氏尾の目の下に黒いクマ!?(化粧だよね)。長い髪とあごひげ・・・で思わず「ジャック・スパロウ!?」とつぶやいてしまった私・・あぁ・・すっごく感動するシーンにこんなことを思う私って・・バカバカ〜。でもちょっと似てたよぉ・・
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