1992年イギリス・ロシア・イタリア・フランス・オランダ合作 監督 サリー・ポッター キャスト ティルダ・スウィントン シャルロット・ヴァンドレイ ヒースコート・ウィリアムズ ロテール・ブリュトー ジョン・ウッド ビリー・ゼイン ジミー・ソマービル クエンティン・クリスプ
原作は「ダロウェイ夫人」などで著名なヴァージニア・ウルフ。 少し前に読んだのですが、かなり長くて四苦八苦したのでした(汗)
16世紀のイングランド。エリザベス1世の寵愛を受ける青年貴族オルランドは、「決して老いてはならぬ・・」と女王に言われた言葉通り、その後400年の時を超え、性別さえ超えて、若く美しく生き続ける・・
映画はこの長編をかなり思い切ってカットし余計な解説も一切無し・・という思い切りのよさ。なんとも不思議なムードを漂わせる映画でした。 オルランド役のティルダ・スウィントンは中性的な美しさを持ち、なおかつ中世的で。その昔の肖像画に描かれた人々のような、この世のものとは思えない不思議な存在感。顔がアップになったときの彼女の瞳は、まるで宝石のように硬く冷たく輝いていました。
失恋、詩作の断念、そして戦争の痛手。6日間眠りつづけた彼が目覚めた時にはなんと女性になっていて。鏡に映った自身の姿を見て「同じ人間・・何も変わってない」そうでしょう・・っとまるで問い掛けるかのように映像の中から見つめるオルランド。思わず「うん」ってうなずきそうに(笑)
女性としてなんら臆することも無く(しかし、使用人たちも全然驚かないのが面白いよね・・)強く生きてゆく彼女。恋をし、娘を産み。 現代の世界にまで登場するのだから。 娘と微笑みあい、空の天使(天使なんだよね・・ちょっと怖いけど・・歌は素敵)を見て幸せだと涙する彼女。 なんか不思議だけどすごく爽やかな感動を覚えました。 いやぁ・・あの原作がこんな風に映画化されるとは、ちょっと予想外だったけど良かったです。
サリー・ポッター監督は「耳に残るは君の歌声」もそうでしたけど、音楽をとても印象的に使う方ですね。この映画の中でも歌声が素敵に使われていました。
後で知ったのですがエリザベス1世役の方は男性だったのですね〜。 分からなかったわ・・・ 寒波で氷の都とかしたロンドンでの氷上のダンスや、サロンでお茶を飲む様子(カップが小さい〜)、オルランドの髪型や衣装などもなかなか楽しいです。
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